食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06350350314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、農薬の緊急認可に関するQ&Aを公表 (前半1/2)
資料日付 2024年9月10日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は9月10日、農薬の緊急認可に関するQ&Aを公表した。概要は以下のとおり。
 植物由来の食品上及び食品中の農薬の残留に関する最大残留基準値(MRL)は欧州委員会によって設定されており、それぞれの作物と有効成分の組み合わせについて欧州全域で有効である。MRLは、農業生産工程管理に従った残留試験に基づいて算出され、無理なく到達可能な範囲でできるだけ低くすべきとの原則(ALARAの原則)に沿って設定されるため、健康影響に基づく指標値ではない。
 例外的な事態が発生した場合、各国の承認当局(ドイツでは連邦消費者保護・食品安全庁(BVL))は、申請に応じて、作物と農薬の組み合わせについて緊急認可を与えることができる。緊急認可には期限がある。この例外的なケースでは、ドイツで設定されたMRLがEUレベルで有効なMRLから逸脱する可能性がある。
 ドイツでは現在、このようなケースが起きている。真菌類の蔓延による仁果類の処理に関して緊急認可が与えられたため、国内のMRLを設定する必要が生じた。BfRは健康評価に関するQ&Aをまとめた。
 Q1. 農薬の緊急認可とは何を意味するか?
 A1. 緊急認可とは、例外的な状況において、限られた期間、作物を保護するために、欧州連合(EU)の各国規制当局が、通常の認可や他の管理方法が存在しない、限定的かつ管理された用途の農薬の上市を認可する場合に使用される用語である。このような緊急認可は、食品及びそれを加工処理した製品の消費によって健康への悪影響が予想されない場合にのみ認可される。
 法的根拠は、規則(EC)No.1107/2009の第53条と植物保護法(the Plant Protection Act)の第29条である。
 ドイツにおける緊急認可の所轄官庁はBVLである。https://www.bvl.bund.de/DE/Arbeitsbereiche/04_Pflanzenschutzmittel/01_Aufgを参照。
 Q2. 緊急認可はどこまで制限されるか?
 A2. 緊急認可は常に期間と量に制限がある。認可は有害生物の発生状況に応じて与えられるが、最長120日間である。また、影響を受ける地域のみなど、地域を限定して許可されることもある。
 Q3.緊急認可は、どのような場合に申請できるか?
 A3. 略
 Q4. 誰が緊急認可を申請できるか?
 A4. 略
 Q5. 緊急認可によって認可された農薬で処理された食品は、健康リスクを引き起こす可能性はあるか?
 A5. 緊急認可の場合、BVLは、緊急認可の範囲内で農薬を使用することにより、EUレベルの規則(EC)No.396/2005に規定されているMRLが遵守されるかどうかもチェックする。この場合、消費者が該当する食品を摂取しても、健康への悪影響は予想されない。これは、欧州レベルでMRLを設定する際に、各有効成分について検証される。
 個々のケースで有効なMRLを遵守できない場合は、入手可能な残留データに関する科学的評価が実施される。この際、処理された作物から作られる製品中の残留物により健康への悪影響が予想されるかどうかが検査される。この目的のため、BfRは定期的に相談を受け、データ状況を評価する。緊急認可は、健康への悪影響が予想されない場合にのみ可能である。
 Q6. 緊急認可の一環として設定された食品中の農薬活性物質のMRLがEUレベルで設定されたMRLより高い場合、健康リスクはあるか?
 A6. MRLは、健康影響に基づく指標値ではない。MRLは、指定された気候・地理的条件下で、それぞれの作物を用いた残留試験で決定される。これらの試験では、有効性に必要な量の農薬のみが使用される(農業生産工程管理)。そのため、農業生産工程管理に従って、最大レベルは必要以上に高く設定されることはない。ここでのモットーは、「与えられた状況下で、植物保護に必要な量を、可能な限り少なく」である。いわゆるALARAの原則(無理なく到達可能な範囲でできるだけ低くすべき)が適用される。
 原則として、このようにして決定されたMRLは、毒性学的研究から導出された健康影響に基づく指標値であるADI(許容一日摂取量;ヒトが生涯にわたって毎日経口摂取しても、健康上のリスクが認められない物質の量)及びARfD(急性参照用量:一日の間に1回以上の食事で食品と一緒に摂取しても、健康上のリスクが認められないと推定される物質の最大量)よりも大幅に、または場合によっては数倍低くなる。したがって、MRLを超えることは、適用される法律に違反することになるが、検出された残留物質が消費者に健康リスクをもたらすとは限らない。
 緊急認可の一環として、より高い可能性がある国内のMRLが食品に設定される前に、それが健康影響に基づく指標値を超えないかどうかもチェックされる。従って、暫定的により高い国内のMRLを設定できるのは、健康上のリスクが予想されない場合のみである。
 緊急認可に関連して、EUのMRLから逸脱する国内許容MRLは、認可を行う加盟国の市場にのみ適用される
 Q7. 食品中のMRLの測定値が、健康影響に基づく指標値を下回っているか、上回っているかは、どのように判断されるか?
 A7. 食品中の残留農薬のリスク評価の基礎となるのは、ばく露データである。これは、人が接触する残留農薬の量、すなわち食品を介して摂取する量を指す。これらは、ドイツと欧州で経験的に収集されたそれぞれの食品の消費データから算出される。健康評価において、BfRは通常、ドイツのマックス・ルブナー研究所(Max-Rubner-Instituts)の国民栄養調査(NVS) IIのモデルを使用している。さらに、欧州食品安全機関(EFSA)は、欧州の消費データに基づいて残留農薬の急性及び慢性リスクを計算できる計算モデル「PRIMO」(残留農薬摂取量算出モデル)を提供している。このモデルには、子ども、女性、男性といったさまざまな消費者グループの消費習慣に関するデータが含まれており、年齢層や体重別に分類されている。さまざまな消費量(少量消費者、普通消費者、大量消費者)も含まれている。一日に消費されるそれぞれの食品の量に基づいて、実際に食品と一緒に摂取された残留農薬の量が、健康影響に基づく指標値をどの程度上回るかが計算される。その結果から、健康リスクが導出され、評価される。

(後半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06350351314)
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL https://www.bfr.bund.de/de/fragen_und_antworten_zu_notfallzulassungen_von_pflanzenschutzmitteln-317066.html
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