食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06350162535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、食品添加物としての二酸化チタン(E171)の安全性に関する声明(要旨)を公表 (3/3)
資料日付 2024年8月27日
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(前ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06350161535)


4. 健康影響に基づく指標値(HBGV)の設定
 委員会は、入手可能なエビデンスに基づき、1,000 mg/kg体重/日が妥当な出発点(POD)であると結論した。これは、EOGRT試験の結果(Leuschner, 2020年)に加え、同用量まで影響がないと報告したWarheit et al, 2015年及びLee et al, 2019年の研究に基づくものであった。他の研究ではばらつきが指摘されたが、食品グレードの二酸化チタン(E171)の提案されたPODを変更するようなものはなかった。標準の不確実係数100(種間差に10、個体間変動に10)がメンバーによって合意され、PODに適用された結果、HBGVは10 mg/kg体重/日となった。E171のNOAELにこの不確実係数を適用する際には、さらに慎重さが必要と思われる。というのも、1,000 mg/kg体重/日は試験されたTiO2の最高用量であるため、LOAEL(最小毒性量)は実際にはかなり高くなる可能性があり、また、TiO2粒子の代謝がないため、種間/種内動態学的差異は既定値よりも低くなる可能性が高いためである。
5. ばく露評価
 二酸化チタン(E171)は、化粧品や医薬品と同様に、多くの食品カテゴリーに含まれている。この評価で計算され考慮されたばく露は、食品のみであり、英国の調査による食品消費データを用いて、乳児、幼児、小児、青年、成人、高齢者を対象としたものである。EFSA(2021年)によって報告された特定の食品品目における二酸化チタンの最大量もばく露の推定に用いられた。計算された二酸化チタンの平均総食事性ばく露量は、3.3~11 mg/kg体重/日であった。TiO2の95パーセンタイル総食事性ばく露量は、9.1~26 mg/kg体重/日であった。これらのばく露に最も寄与している3つの食品グループは、タンパク質製品、デコレーション、コーティング、フィリング、ソースである。ばく露評価では、E171がより多くのカテゴリー(48カテゴリー)で認可されているのに対して、16種の食品グループのみの使用量を考慮した。このため、ばく露が過小評価される可能性がある。しかし、評価されたカテゴリー内の全ての食品にE171が含まれるわけではないため、これらのカテゴリーにおけるばく露が過大評価される可能性がある。さらに、評価は、評価された全てのカテゴリーの全ての食品が報告された最大量でE171を含むという仮定に基づいている。この可能性は低く、全体的なばく露は過大評価される可能性が高い。
6. リスクの判定
 全ての集団の平均的な総食事性ばく露量は、設定されたHBGVである10 mg/kg体重/日を下回るか、非常に近い値である。95パーセンタイルの推定総食事性ばく露量は、9.1~26 mg/kg体重/日である。成人(18歳以上)と高齢者のばく露は、設定されたHBGVを下回っており、健康への悪影響は予想されない。乳児、幼児、小児、青少年の推定ばく露量はHBGVの1.3~2.6倍であるが、実際のばく露量は計算値よりも低い可能性が高い。さらに、HBGVは保守的(conservative)である可能性が高い。従って、食事から食品グレードの二酸化チタン(E171)にばく露されることは、英国の集団にとって健康へのリスクをもたらす可能性は低い。
7. COTの全体的結論と参考文献
7.1. 全体的結論
 COTは、現在の英国におけるE171 TiO2の食事性ばく露による健康へのリスクは考えにくいと結論した。
7.2. 参考文献
 (略)
 当該声明(PDF版、14ページ)は以下のURLから入手可能。
Https://cot.food.gov.uk/print/pdf/node/11341
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://cot.food.gov.uk/Introduction%20-%20%28E171%29%20Executive%20Summary
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