食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06350161535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、食品添加物としての二酸化チタン(E171)の安全性に関する声明(要旨)を公表 (2/3)
資料日付 2024年8月27日
分類1 -
分類2 -
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(前ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06350160535)

3.2. 異常陰窩巣(ACF)
委員会は、単一の試験(Bettini et al, 2017年)で、飲用水経由でTiO2を単独投与した一部の動物で少数のACFが観察されたものの、他の食餌試験(Blevins et al, 2019年; Leuschner, 2020年等)でTiO2にばく露していない対照群の動物にもACFが存在したことから、これらは必ずしもTiO2に起因するものではないと考えた。さらに、Unitane(E171規格に相当する試験物質)を用いて実施された発がん性試験を含め、どの試験においても大腸粘膜の増殖性病変の発生を示すエビデンスはなかった(NCI, 1979年; TDMA, 2022年)。委員会は、TiO2がACFを誘発するエビデンスはなく、大腸の増殖性病変への進行を支持するエビデンスもないと結論した。
3.3. 炎症及び免疫毒性
 COTは、炎症や免疫毒性に関する研究は、EOGRTを含む3件(Riedle et al., 2020年; Blevins et al., 2019年; and Leuschner, 2020年)しかなく、E171 TiO2を食餌に混合して投与していると指摘した。これらの研究では、炎症や免疫毒性に起因する悪影響は見られなかった。飲用水を介してラット又はマウスに投与された食品グレードの二酸化チタン(E171)を用いた炎症及び免疫毒性に関する5件の研究(Talamini et al., 2019年; Pinget et al., 2020年; Bettini et al., 2017年; Han et al., 2020年; Mortensen et al., 2021年)が、COTによって検討された。いくつかの研究において、炎症性サイトカインと宿主防御遺伝子の発現の差が観察されたが、これは研究間で一貫しているわけではなく、また、経路の活性化という点で一様でもないため、解釈や結論の策定は困難であった。その他の潜在的な免疫毒性作用も報告されているが、これらに限定されるものではない。脾臓や腸(パイエル板を含む)における免疫細胞を介した炎症病巣、抗菌ペプチドを含むより広範な宿主防御機構への影響、腸内細菌叢への影響、腸樹状細胞集団への影響、腸内T細胞亜集団やマクロファージ集団への影響、血漿リンパ球数やその割合への影響、腸粘液層の破壊等である。しかし、全体として、食品グレードの二酸化チタン(E171)が免疫毒性及び炎症に関して懸念があると結論するには、十分な質のエビデンスがない。
3.4. 神経毒性
 全体として、神経毒性に関する新たなエビデンスはなく、2021年中間ポジションペーパーに記載されたこのエンドポイトに関するCOTの見解の変更を正当化するものではない。神経毒性に関する研究結果は、COTによって一貫性がないとみなされた。EOGRT試験では神経毒性作用が報告されていないこと、このエンドポイントに関する他の試験のほとんどがナノ粒子(TiO2 NP)の形態の二酸化チタンを使用していることが指摘された。COTは、EOGRT試験において、ルーチンの規制組織病理学的検査は、他のいくつかの試験で実施された特定の神経組織病理学的検査よりも感度が低かっただろうと指摘した。神経毒性に関するCOTのこの結論は、カナダ保健省がEOGRTの感度が十分で、食品グレードの二酸化チタン(E171)に神経毒性の可能性がないと結論したものよりも保守的(conservative)である。COT は、入手可能な関連研究のデータから、二酸化チタンは ACF を誘発せず、炎症及び免疫毒性、生殖及び発達毒性、神経毒性を評価した研究では有意な影響は見られなかったと考えた。委員会は、EOGRT試験の最高用量である1,000 mg/kg体重/日のNOAELは頑健であると判断した。
3.5. COM による二酸化チタンの遺伝毒性のレビュー
 COM は、TiO2 の遺伝毒性を評価するために多くの研究をレビューした。EFSAがレビューした論文に加え、「遺伝毒性」と「二酸化チタン」について発表された論文を探すために文献検索が行われた。特定されたほとんどの論文は、ナノサイズの二酸化チタン画分を使用しており、マイクロサイズの二酸化チタンや特定のE171の形態は使用していなかった。論文は専門家によって評価され、物理化学的特性の両方をスクリーニングし、質の高い遺伝毒性試験のみが含まれるようにするため、段階的アプローチを用いて採点された。そのため、ナノ及びマイクロサイズのTiO2に関する論文をレビューし、特にE171形態に注目した。COM は、食品グレードの二酸化チタン(E171)そのものの安全性を確定的に評価することは、 E171に含まれるナノ粒子画分の試験デザインの検討と特性を適切に組み込んだ OECD準拠の質の高い試験がない以上、困難であると述べた。また、どのような形態の化合物についても OECDに準拠した質の高いデータセットが不足しており、このため TiO2 のリスク評価には相反するデータと不確実性があることが指摘された(COM, 2024年)。COMの見解では、TiO2のマイクロ又はナノサイズの粒子がin vitro又はin vivoで遺伝毒性を示すというエビデンスは、入手可能な数少ないよく実施された研究のデータからはほとんど得られない。また、異なる研究室で同じナノ粒子を使用した研究結果の再現性も乏しい(COM, 2024年)。したがって、全体として、COMは、TiO2による遺伝毒性誘発、特に経口経路、特にマイクロサイズのTiO2画分(文献のほとんどの研究はナノサイズの物質を使用)による健康懸念があることを示唆する文献上のエビデンスはほとんどないと結論した。したがって、食品グレードの二酸化チタン(E171)による遺伝毒性リスクは低いと考えられる(COM, 2024年)。2024年3月の会議でのCOM報告書の審議後、COTはCOMの結論に同意した。

(次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06350162535)
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://cot.food.gov.uk/Introduction%20-%20%28E171%29%20Executive%20Summary

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