食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06330661294
タイトル 世界保健機関(WHO)、人獣共通感染症のインフルエンザに関する概要及び評価報告書(2024/6/8~7/19)を公表(鳥インフルエンザA(H5)ウイルス) (後半2/2)
資料日付 2024年7月19日
分類1 -
分類2 -
概要(記事) (前半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06330660294)

2. A(H5N1)、カンボジア
 2024年6月7日の前回のリスク評価以降、カンボジアでインフルエンザA(H5N1)ウイルス感染によるヒト症例2例が報告された。2024年7月6日、カンボジア王国の国際保健規則(IHR)担当窓口(NFP)は、Takeo州の3歳の男児のインフルエンザA(H5N1)感染症例をWHOに通知した。当該患者は喘息の既往歴があり、2024年6月29日にインフルエンザ様疾患を発症した。7月2日、重症急性呼吸器感染症(SARI)定点把握対象である地域紹介病院に呼吸困難で入院した。7月2日に採取された鼻咽頭及び口腔咽頭スワブ検体は、7月5日にカンボジア国立公衆衛生研究所(NIPH)でRT-PCR検査によりインフルエンザA(H5N1)陽性と判定された。同日にカンボジア・パスツール研究所(IPC: Institut Pasteur du Cambodge)が当該結果を確認した。検査結果を受け、当該症例は7月5日にプノンペンの国立病院に隔離され、オセルタミビルの投与を受けた。現在、患者の健康状態は良好である。
 2024年7月8日、カンボジアのIHR NFPは、前回の症例の濃厚接触者(同じ世帯に居住するいとこ)であり、接触者追跡調査により見つかった5歳の女児のインフルエンザA(H5N1)ウイルス感染による追加症例1例をWHOに通知した。当該患者は無症状であった。7月6日に採取された鼻咽頭及び口腔咽頭スワブ検体は、同日にNIPHのRT-PCR検査によりインフルエンザA(H5N1)陽性と判定された。患者は7月7日に隔離目的で入院し、オセルタミビルの投与を受けた。
当該ウイルスの更なる特性評価を行うため、これら2症例の検体からウイルスを分離する試みが行われているが、今のところ成功していない。
 これらの症例の接触者(3人の有症状者を含む)から採取された鼻咽頭及び口腔咽頭スワブ検体は、NIPHのRT-PCR検査によりインフルエンザA(H5N1)陰性と判定された。感染が確認された村での積極的症例探索の結果、疑い例(suspected case)の定義に合致する3人の住民が特定されたが、インフルエンザA(H5N1)の検査は陰性であった。これまでの調査によると、当該2症例の住居の裏庭で死んだ鶏がいたことが報告されている。最初の症例が発症する前の6月26日に、両症例は死んだ鶏にばく露されていた。死んだ鶏はその後、家族によって加熱調理され、消費された。
 2024年7月9日、国際獣疫事務局(WOAH)は、カンボジアの国立動物衛生生産研究所(NAHPRI)から、ヒト陽性症例が居住する村から採取された動物検体がHPAI A(H5N1)ウイルス陽性と判定されたとの報告を受けた。
3. A(H5N6)、中国
 2024年6月7日の前回のリスク評価以降、インフルエンザA(H5N6)ウイルス感染によるヒト症例1例が7月3日に中国からWHOへ通知された。
 患者は安徽省の70歳の女性で、2024年6月17日に発症した。患者は重症の肺炎で入院し、6月19日に抗ウイルス薬による治療を受けたが、7月8日に他界した。6月19日に採取された鼻咽頭検体はA型インフルエンザ陽性と判定され、6月23日にRT-PCR検査によりインフルエンザA(H5N6)ウイルスであることが確認された。
 発症前に患者は生きた家きん市場へのばく露歴があった。濃厚接触者や環境由来検体は陰性であり、患者の家族からそれ以上の症例は報告されなかった。
 2024年7月19日時点で、中国からWHOに報告された鳥インフルエンザA(H5N6)ウイルス感染によるヒト検査確定症例は合計92例である。
 WOAHへの報告によると、アジア、欧州及びアメリカ大陸の野鳥及び飼育鳥類において、様々なインフルエンザA(H5)亜型のウイルスが継続的に検出されている。また、海生哺乳類や陸生哺乳類を含め、ヒト以外の哺乳類の感染も報告されている。HPAI A(H5)ウイルスに罹患した鳥類及び哺乳類種のリストはFAOが保持している。
・リスク評価
(1)鳥インフルエンザA(H5)ウイルス感染による更なるヒト症例の現在の公衆衛生上のリスクは?
 現在までのヒト症例のほとんどは、例えば感染した家きん又は生きた家きん市場等の汚染された環境、また時には感染した哺乳類や汚染された環境との接触を通じてA(H5)ウイルスにばく露された人々の感染であった。当該ウイルスは、ヒトが接触する動物や関連環境中で検出され続けており、このようなばく露に関連する更なるヒト症例の発生が予想されるが、それは稀である。更なる症例が検出されたとしても、公衆衛生上の影響はごく小さい。新たなヒト症例の現在の全体的な公衆衛生上のリスクは低い(low)。
(2)鳥インフルエンザA(H5)ウイルスがヒトからヒトへ持続的に伝播する可能性は?
 最近報告された鳥インフルエンザA(H5)のヒト感染に関連した持続的なヒトからヒトへの伝播は確認されていない。2007年以降、A(H5N1)ウイルスのヒトからヒトへの伝播は報告されていないが、調査においてはギャップが存在する可能性がある。2007年以前では、医療従事者が関係したものも含む、ヒトにおける小規模なA(H5)ウイルス感染クラスターが報告され、これらにおいては限定的なヒトからヒトへの伝播は否定できなかったが、持続的なヒトからヒトへの伝播は報告されていない。
 入手可能なエビデンスでは、現在循環するインフルエンザA(H5)ウイルスはヒト間での効率的な伝播能力を獲得していないことが示唆されているため、今のところ、現時点で持続的なヒトからヒトへの伝播の可能性は低いと見られる。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 世界保健機関(WHO)
情報源(報道) 世界保健機関(WHO)
URL https://www.who.int/publications/m/item/influenza-at-the-human-animal-interface-summary-and-assessment-19-july-2024
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