食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06260371535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、食品接触材料に関する合同専門家グループ(FCMJEG)によるポジションペーパー:オーシャンバウンドプラスチック(OBP) (TOX/2024/15)を公表 (後半2/2)
資料日付 2024年3月13日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
概要(記事) (前半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06260370535)

 環境プラスチックまたはOBPの使用は、再生FCM生産のための新しいインプット材料である。したがって、FCMJEGは潜在的な汚染物質に対する懸念を提起し、PETの現在の基準値である3 mg/kgが適用できるかどうかを疑問視した。3 mg/kgという値は、OBPを含まないEU管理の収集システムからの多くのデータに基づいている。さらに、プラスチック材料が世界の他の地域から供給されている場合、追加/未知のプラスチック添加剤が製造時に使用されている可能性があり、全体的な不確実性が増大する。FCMJEGはまた、環境プラスチックおよびOBP中にCMR物質が存在する可能性に関する具体的なデータ/研究が現在不足していることも指摘した。潜在的な劣化や、そのような劣化が材料自体の安定性や汚染物質の吸着にどのような影響を与える可能性があるかについての情報も不足している。再生プロセスにおける課題は、インプット材料の供給源によって異なる可能性がある。
 FCMJEGは、環境プラスチックおよびOBPの安全性を評価するために十分なデータを提供することが、大きな課題であることを認識している。したがって、エビデンスに基づく情報提供に応じて提出された、非意図的に添加された物質(NIAS)の試験を含むデータは、FCMJEGによって歓迎された。しかし、当該グループは、特に潜在的な汚染を減らすという観点から、現在の物理的再生プロセスにおけるインプット材料として、環境プラスチックおよびOBPが適しているという十分なエビデンスを確認、または受領していない。これまでにFCMJEGに提出されたデータは、現在EU/英国の法律で許可されていない添加剤がプラスチック材料に使用されていないことを企業がどのように保証しているか、特に欧州外で収集されたプラスチック材料に対してどのような保証システムが整備されているかを検証するには十分ではなかった。
 環境プラスチックまたはOBPが組み込まれた包装材料がさらに再生できるかどうかについてのデータも不足していた(材料の種類に依存する)。
 FCMJEGは、環境プラスチックおよびOBPを再生する利点を認識しており、環境プラスチック汚染を削減し、循環経済を促進するためのあらゆる取り組みを支持する。しかし、食品包装材料はプラスチック用途全体の比較的小さな割合(約8~16%)にとどまっているため、当該グループはOBPの他のより適切な用途が見つかる可能性があると考えた。不確実性とコンプライアンスを得ることが困難である可能性を考慮すると、FCMJEGは、食品と接触する用途において、無垢または他の適切な再生プラスチックに比べて、回収/再生された環境プラスチックおよび/またはOBPの使用にはメリットはないと考えた。
 結論と推奨事項
 環境プラスチックまたはOBPとして分類されるインプット物質の供給源は依然として不明であり、英国外のこれらの供給源から得られたプラスチックに、英国でカーブサイド収集されたプラスチックとは異なる追加のプラスチック添加剤や汚染が含まれるかどうかはまだはっきりしていない。
 現在、確立された再生プロセスには、そのようなプラスチック材料の使用に関するガイダンスはないが、英国の関連規制と調和した情報を周知し、その遵守を保証するためにはエビデンスが必要である。コンプライアンスを周知するためには、確立された物理的再生プロセスでインプット材料として使用するために収集された環境プラスチックまたはOBPの汚染が英国でカーブサイド収集されたプラスチックの汚染と同等であることを証明する必要がある。現時点では、評価に使用する、環境プラスチックまたはOBPにおける全体的な汚染、適切な基準値または汚染レベルに関して、不確実性が残っている。したがって、正確な評価を行うことは困難である。汚染源から基準汚染レベルを導き出すためのデータギャップを解決し(例えば、カーブサイド収集のためのFAIR再生可能性(recyclability)プロジェクト(※訳注3)から導出された基準値3 mg/kgは、環境プラスチックおよびOBPにも適用できるか、など)、適切なアプローチを実施できるようにするためには、さらなる作業が必要である。また、必要とされる証明/エビデンス(proof/evidence)の基準を評価する作業も必要となる。
 FCMJEGは、環境プラスチックとOBPを再生する利点を認識している。しかし、現在のエビデンスに基づき、FCMJEGは、食品と直接接触する場合、機能性バリアで被覆される場合のいずれであっても、食品接触材料に環境プラスチックまたはOBPを使用することによる安全上のリスクを排除することができなかった。
(注) 当該資料は、2024年3月26日開催予定の会議(COT Meeting)用の資料であり、COTの意見を反映するものではないことから論文などへの引用は禁止する。

(※訳注1) 2022年2月に発表されたFCMJEGのOBPに関する暫定見解書は、次のURLから閲覧可能
https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2022-02/FCM%20JEG%20interim%20position%20statement%20on%20ocean%20bound%20plastic%20-%20Locked_2.docx
(※訳注2) カーブサイド収集とは、ごみ収集車が道端のごみ箱からごみを収集する仕組みのことである。
(※訳注3) FAIR再生可能性プロジェクトは、再生された食品接触材料の安全性を評価するためのデータの収集と解析の方法を開発するために、欧州委員会が実施している研究プロジェクトである。
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://cot.food.gov.uk/Position%20Paper%20by%20the%20Joint%20Expert%20Group%20on%20Food%20Contact%20Materials%20%28FCMJEG%29:%20Ocean%20Bound%20Plastic%20%28OBP%29#references
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