食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06250110149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、食事からの残留農薬の累積リスク評価の実施に関連して、甲状腺への特定の影響に関する科学的報告書(2024年更新)を公表 (前半1/2)
資料日付 2024年3月18日
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分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は3月18日、食事からの残留農薬の累積リスク評価の実施に関連して、甲状腺への特定の影響に関する科学的報告書(2024年更新)(2024年2月28日承認、27ページ、DOI: 10.2903/j.efsa.2024.8672)を公表した、概要は以下のとおり。
 EFSAは、合意済みの「2021残留農薬の累積評価に関するEFSA-SANTE(欧州委員会保健衛生・食の安全総局)行動計画」に準拠して、EFSAの「2019-2020甲状腺を標的にした遡及的な(retrospective)食事からの残留農薬の累積リスク評価(CRA)」を更新するよう要請された。
 このEFSA内部(訳注1:EFSAから担当ユニットへ)の委任事項の具体的な目的は、残留農薬を累積評価グループ(cumulative assessment groups (CAGs))にまとめる際に関連する甲状腺への特異な影響をレビューすることであった。さらに、ワーキンググループ(WG)の支援を受けて、EFSAは、有効成分及び代謝物を遡及的なCAGに含めるきっかけ(triggering)となる各々の特異な影響の指標(すなわち、規制当局の試験において測定可能な毒性学的エンドポイント)を改定した。WGはまた、CAGに含めた有効成分/代謝物各々の特異な影響に関するハザードの特性評価の手法と、CAGに含めた有効成分がそれぞれの特異な影響を引き起こす確率(以降、本報告書ではCAGに含める確率(CAG-membership probability)とする)を評価するための一連のエビデンス(Lines of Evidence:LoE)を精緻化した。最後に、WGはまた、優先順位の高い有効成分を適切なCAGへ分類するための関連データを抽出するデータ収集のテンプレートを開発した。
 WGは、2019年に既に特定されたものと同じ2種類の特異な影響(2種類のCAGに対応する)、すなわち「甲状腺機能低下」及び「C細胞(傍濾胞細胞)肥大、過形成及び新生組織形成」を再確認した。この文脈において、甲状腺機能低下は、視床下部-下垂体-甲状腺(HPT)軸の破綻により、濾胞細胞の肥大、過形成、および新生組織形成を引き起こすものと定義される。C細胞肥大、過形成及び新生組織形成は、持続的なC細胞刺激から始まる同じ病態生理学的プロセスの連続体であり、したがって、CRAの文脈において一つの特異な影響を構成する。
 甲状腺機能低下に関するCAGについて、病理組織の研究結果の観点において、濾胞細胞の肥大、過形成、腺種、及びがんからなる指標のリストは2019年におけるリストと同じであると再確認されたが、血清ホルモンレベルにおける変化(トリヨードチロニン(triiodothyronine)(T3)及びテトラヨードチロニン(tetraiodothyronine)(T4)の減少、及び甲状腺刺激ホルモン(TSH)の増加)、並びに甲状腺の重量(絶対又は相対重量の増加)の観点において、2019年におけるリストと同じであると再確認されなかった。WGは、むしろホルモン及び甲状腺の重量の変化を特異な影響の評価におけるLoEと考える。主に動物試験に基づく規制上のリスク評価の文脈において、甲状腺機能低下は本質的に病理学的な変化から推定され、利用可能な場合は、ホルモンの変化やその他の情報により裏付けられる。この理由から、これらのパラメータは、ハザード及びばく露の考察に基づくリスクの促進因子と特定された農薬に関してのみ収集される。
 同様に、C細胞肥大、過形成及び新生組織形成に関するCAGに関して、病理組織学は指標を特定するための最適のエビデンス源と考えられる。したがって、C細胞の肥大、過形成、腺種及びがんはこの特異な影響の指標として再確認された。CRAの特性評価に関連して、2020年にEFSAが得た経験に基づき、WGは、C細胞肥大、過形成及び新生組織形成はもはや必要とされないと考えた。実際、2020年、残留農薬に対する食事性ばく露によるC細胞肥大、過形成及び新組織形成の、選抜された集団グループに関する累積リスクは、甲状腺機能低下の累積リスクよりも低い(及び甲状腺機能低下の累積リスクに包含される)。しかしながら、ハザードの特性評価段階まで、新たに優先順位付けされた残留農薬に関して、C細胞肥大、過形成及び新組織形成のデータ収集及び設定は実施される。
 WGは、有効成分/代謝物をCAGへ含める基準をレビューしたが、その主要な基準は、規制上の毒性学的試験における特異な影響の指標に少なくとも1つの統計学的に有意な、及び/又は生物学的に関連する変化が見つかったことである。
 ハザードの特性評価基準に関して、WGは、各有効成分の効力は、特定の特異な影響の指標を示す利用可能な経口試験の全体性を考慮し、それぞれの特異な影響に関する全体的な無毒性量(NOAEL)及び全体的な最小毒性量(LOAEL)を用いて設定すべきであると提案した。
 最後に、WGは、CAGに含める確率の検討、つまり、ある有効成分/代謝物が甲状腺機能低下に関するCAGに正しく含められた確率を評価するために、LoE(つまり、既知のあるいは推定される作用機序(MoA)、損傷の進行のエビデンス、同種内及び/又は異種にまたがる指標の変化の一貫性、T3及び/又はT4の減少、血清におけるTSHの増加)、及びそれらの相対的な重み付け(高、中、低)に関して合意した。過去の経験では、ほとんどの場合、CRAの結果は限られた数の有効成分によるため、CAGに含める確率は、リスク促進因子に関してのみ決定される。

(後半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06250111149)
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8672
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