食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06240571475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、特定の新ゲノム技術を用いて作出された植物に関連する、公衆衛生・環境上のリスク及び社会経済的問題の評価方法に関する意見書・報告書を公表 (後半2/2)
資料日付 2024年3月6日
分類1 -
分類2 -
概要(記事) (前半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06240570475)

4. NGT植物の開発に関連する社会経済的問題とは?
 ANSESの専門家は、NGT植物に関する規制の変化について可能性のある多様なシナリオを想定し、これに則り、潜在的な社会経済的影響の分析を行った。その結果、本評価により、多様なNGTの潜在的応用が期待され、かつ、フランスにおいて品種開発、生産、販売、消費の観点から異なる状況にある、4つの農業関連産業部門(トマト、軟質コムギ、ニンジン、ブドウ)について、NGT植物と関わる可能性のある分野の活動と関係者が特定された。
 各関連産業部門の特性から見て、NGT由来の植物や製品のEUへの導入は、同じように各関連産業部門に影響を及ぼす可能性は低いと推測される。ANSESは、植物育種に対する特許関連の知的財産や、当該関連産業部門への集中、さらには消費者向けの情報等、規制において考慮に入れるべき複数の主要な問題を特定した。当該問題に関して、知見が補強される必要があるとしても、ANSESは当局に対し、価値の共有に関して関係者の間の不均衡を抑えるために注意を怠らないよう、また、市場における支配的地位の乱用を回避するために注意を怠らないよう勧告する。NGTのトレーサビリティと検出に対する期待は、当該関連産業部門に重大な影響をもたらす可能性がある。
 また、ANSESは、農業・農産業生産の有効性や効率性の向上、製品の差別化戦略、公衆衛生・環境・社会上の問題への対応等、革新的な品種の開発につながりうる動機の多様性を強調する。これらの様々な動機は、今後の法律や規制の仕組みにおいて、対応が異なる可能性がある。公的研究への支援も、欧州の農業・食料システムをより一層持続可能なものにするという背景において、イノベーションの開発力を保証する決定要因となる可能性がある。
5. 可能な限り開かれた、かつ、十分な情報に基づく議論の必要性
 専門家らにより実施された本評価から、NGT植物及びその製品をめぐる論争が、公衆衛生の保護という領域を超えて、農業生態学的移行における農業生産モデルやゲノム技術の役割と関連する、さらに広範囲に渡る懸念に及ぶことが示された。「NGTを考慮する規制の改正は、多様な経済的及び社会的影響が問題となり、社会的な選択を伴うものである。ANSES専門家による本評価は、議論を可能な限り開かれた十分な情報に基づく議論とするために、問われるべき全ての問題を特定するものである」と、ANSES社会科学・経済・社会部ディレクターのBrice Laurent氏は解説する。
 当該意見書・報告書(324ページ、フランス語)は以下のURLから閲覧可能。
https://www.anses.fr/fr/system/files/BIORISK2021SA0019Ra.pdf
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL https://www.anses.fr/fr/content/actu-nouvelles-techniques-genomiques
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