食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06210161535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、英国の化学物質リスク評価の枠組みにおけるベンチマークドーズモデリングに関する資料(TOX/2024/03)を公表 (後半2/2)
資料日付 2024年1月29日
分類1 -
分類2 -
概要(記事) (前半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06210160535)

 NOAEL/LOAEL法に代わる方法として、BMD法がある。BMDは、適合した用量-反応曲線から推定される用量レベルであり、対照群(バックグラウンド反応)に対する反応(ベンチマーク反応、BMR)の事前に指定された変化に関連している。BMD法では、個々の群(用量)を比較する代わりに、利用可能なすべての用量-反応データを考慮して、特定のエンドポイントに対する全体的な用量-反応関係の形状を推定する。用量-反応モデリングからBMD反応の信頼レベルを導き出すことが可能であり、BMDの信頼区間の下限値(BMDL)は通常、HBGVを設定するためのRPとされる。
 (中略)
 結論
 伝統的に、NOAEL法は、化学物質のリスク評価のHBGVとして使用できる参照用量(RfD)、許容一日摂取量(ADI)など、毒性学的「安全用量」の推定値を求めるために使用されてきた。しかし、現在では、BMDモデリングが、これらの「安全用量」推定値を求めるためのRPを導出する好ましい手法であると考えられている。BMDモデリングは、NOAEL法よりも定量的で有益なRPの推定を可能にする。
 理想的には、使用されるBMDモデルは、根底にある生物学的システムの挙動を模倣するものである。しかし実際には、ほとんどの場合、BMDモデリング法は、可能性のある様々な数学的モデルから、データを記述する「最良」の数学的モデルを見つけようとするものである。
 モデルの選択は、関心のあるエンドポイントを構成するデータの性質、試験計画、用量の選択などによって決定される。同様に、BMRは毒性学的および統計学的な考察に基づいて選択することができる。しかし、どのような生物学的反応が「有害」と考えられるかについての情報がない場合、EFSAは、データの種類に応じてBMR の5%(連続データの場合)または10%(非連続データの場合)を既定値として設定することを推奨している。対照的に、US EPAは、連続データのBMRは、反応に対する割合(%)ではなく、データの標準偏差に対する変化に基づいて設定することを推奨しており、非連続データの場合は、BMRの10%が適切であるとしている。
 歴史的に、用量-反応モデル(DRM)用のBMDソフトウェアでは、頻度論的手法が使用されてきた。しかし、BMDソフトウェアの発展により、同一用途にベイズ的手法を使用することが可能になった。EFSAは現在、BMDモデリングにはベイズ的手法を推奨している。
 BMD法は、性質や発生源に関係なく、食品中のすべての化学物質に適用できる。BMD法は、古典的なin vitro毒性学的データだけでなく、遺伝子発現データ、さらには疫学データなど、さまざまな種類のデータに適用できる。
 利点(抜粋)
 EFSAとUS EPAはいずれも、BMD法は用量-反応データからRPを導出する手法として、NOAEL法よりも定量的で科学的に進歩した手法であると考えている。
 BMD法は、与えられたデータセット内の利用可能なすべての用量-反応情報を使用する。対照的に、NOAEL法は、対照群と他の1つの用量群を構成するデータのみを効果的に使用する。
 BMD法は、データの不確実性に関する重要な情報を提供する。BMD法のアウトプットは、信頼区間で表されるデータ品質の定量的評価を提供する。
 課題
 BMDモデリング・ソフトウェアを使用するには、ある程度のトレーニングが必要かもしれない。ソフトウェアパッケージが異なれば、能力を身につけるために個別のトレーニングが必要になるかもしれない。
 BMDの使用とその最良の事例(best practice)に関して、US EPAやEFSAなどの組織が提供するガイダンスには、顕著な相違点がある。
 さまざまなBMDモデリング・ソフトウェアの操作や統計的根拠には、まだ大きな違いがある。これは、同じデータの分析でも、2つの異なるソフトウェアから異なるBMDおよびBMDLが導出される可能性があるということであり、その結果、2つの異なるRPとHBGVが導出されることを意味する。
 推奨事項
 BMDモデリング法およびBMDソフトウェアの使用に関心のあるCOTまたはFSAの関係者に対して、実践的なトレーニングを提供するためのトレーニングおよびコンピテンシー(competency)ワークショップは有用であろう。
 BMD法に関する現行のガイダンスにおける専門家らの意見の隔たりがある部分を考慮すると、受け入れられている最良の事例をより明確にすることが適切であろう。また、機関、政府、規制当局全体でBMDモデリングへの取り組みをより一層調和させる試みも望まれる。
 BMDモデリングが採用され、より広範な化学物質安全規制の環境で適切に統合されることを確実にするため、産業界、規制当局、専門家グループとのコミュニケーションも奨励されるべきである。経済協力開発機構(OECD)ガイドラインの作成、BMD法の実装と試験設計に関する政府・規制当局のガイダンス、ならびに要件や報告書テンプレートなどの明確化を検討すべきである。
 化学物質のリスク評価における BMD モデリングについては、特に急速に変化する計算・技術的状況を考慮し、将来の適切な時期に見直しを行うことが推奨される。
 本委員会の見解が求められる質問
i) この報告書は、BMDモデリングに関する最新の情報と詳細を表現しているか?
Ii) 委員は、この報告書で取り上げられている内容に満足しているか?
Iii) 利用可能なBMDガイダンスとリソースは、将来のガイダンスにおけるNAMの統合を支援できるか?
Iv) BMDモデリングは、化学物質のリスク評価に適用できる有用で実用的なツールとなり得るか?
V) 委員は、この手法が適用できる事例または推奨事項をもっているか?

(注) 当該資料は、2024年2月6日開催予定の会議(COT Meeting)用の資料であり、COTの意見を反映するものではないことから論文などへの引用は禁止する。
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://cot.food.gov.uk/Benchmark%20dose%20modelling%20in%20a%20UK%20chemical%20risk%20assessment%20framework

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