食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06190810160
タイトル 英国食品基準庁(FSA)、対面販売する包装済み食品におけるアレルゲン表示要件の実施評価報告書を公表
資料日付 2023年12月5日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  英国食品基準庁(FSA)は12月5日、対面販売する包装済み食品におけるアレルゲン表示要件の実施評価報告書を公表した。概要は以下のとおり。
・「結論」
 対面販売する包装済み(prepacked for direct sale:PPDS)食品法は、Natasha Ednan-Laperouseの死後(※訳注)、同様の悲劇が二度と起こらないように導入された。 これは、食物過敏症(FHS)の消費者が、含まれるアレルゲンを知らずに食品を摂取したために有害反応を被るリスクを低減することを意図したものである。本調査では、この法律がこれまでにどのように施行されてきたか、またFHSの消費者及び法律の制定及び実施が課されている食品事業者(FBO)及び地方当局(LA)等に及ぼす影響を調査した。
 この法律は一部の消費者には前向きな変化をもたらしたが、さらなる変化の余地がある。5人中2人の消費者(42%)は、PPDS食品が不快な(又は危険な)反応を引き起こす可能性があるか否かを特定するために必要な情報の入手可能性が向上したとみている。40%の消費者は、より安心感をもってPPDS食品を購入し、39%の消費者は、生活の質が向上したと感じている。これは特に若い消費者(18~34歳の47%)及びPPDS食品をより頻繁に購入する消費者(PPDSを頻繁に購入する/時々購入すると回答した(48%)において顕著であった。また、この法律によって重度のアレルギー又は不耐症をもつ消費者の5人中約1人(18%)が、PPDS食品をより頻繁に購入するようになった。
 しかし、FHSの消費者が必要とする表示情報を一貫して入手できるようにするためには、依然として解決すべき点がいくつかある。FBOのほぼ4分の1(24%)が、PPDS法の全ての項目には準拠していないと報告しており、小規模の独立系企業、及び特にテイクアウト向けのケータリング部門は苦戦している可能性が高い。こういった種類の企業は、表示要件の対象となる食品の種類についての認識が低い傾向があった。また、サプライチェーンの変化、特にテイクアウトの場合、直接・間接の販売チャンネルの混在及び言語の壁にも直面している。
 この法律の意図しない結果もいくつかあった。FBOのほぼ5分の1(17%)が、以前はPPDSであった食品を、包装済みにはしないもの(non-prepacked)として販売し始め、FHSの消費者はこれらの食品の表示が改善されるという利点を失うこととなった。また、FBOのほぼ4分の3(72%)が、自社のPPDS食品に予防的アレルゲン表示を適用し始めているが、これは交差汚染を非常に懸念することが多いFHS消費者が購入できる食品を減らすというリスクをもたらす。
 FBO及びLAは、この法整備支援に時間及び資金を投資してきた。LAは、法律がまだ初期段階にあるため、不遵守企業に対する強制措置ではなく、FBOへの支援・勧告の提供に重点を置いてきており、FBOはこれを有用と認識している。しかし、LAは、FBOにおけるコンプライアンス向上に向け、一般的なトレーニング、準拠した包装に関するガイダンス、及び表示に関する適正基準が依然として必要であると感じている(FBOが準拠するのは容易ではないと考えるLAのうち、それぞれ75%、67%、65%)。LAの5分の1(22%)は、どの食品がPPDS法の対象となるかについてより明確な情報が提供されることを期待している。
 法律の潜在的な改善に関して、LAの3分の2(67%)は、サプライヤー及び卸売業者にはレシピ変更に関する食品事業者への通知を義務付けるべきだと考えている。また、LAの約半数(55%)は、PPDS食品に完全な原材料リストを表示する要件を削除し、代わりにアレルゲンに重点を置くべきだと感じている。
 PPDS法の施行を長期的に監視し、法律の改善やFBO及びLAに提供される支援が理解及び遵守の向上につながり、結果としてFHSの消費者の生活に利益がもたらされるか否かを確認することが重要である。
 当該報告書は以下のURLから閲覧可能(PDF版、101ページ)
https://www.food.gov.uk/sites/default/files/media/document/Final%20PPDS%20Report.pdf
 当該表示に関するガイダンスについては以下のURLから閲覧可能。
1. 2021年6月17日付
https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu05640610160
2. 2021年7月15日付
https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu05650810160
(※訳注) 2016年、Natasha Ednan-Laperouseは、バゲットを食べた際にゴマに対するアレルギー反応を起こし、亡くなった。これはPPDS食品であり、以前の法律ではPPDS食品に表示が必要であるとは規定されていなかったことから、PPDSに関する法的要件の強化を求める大規模なキャンペーンを引き起こした。この新しい法律は2019年にイングランドで制定され、北アイルランド、ウェールズは2020年に、スコットランドは2021年に続き、全ての国で2021年10月1日に施行された。この新しい法律はしばしば「Natasha法」と呼ばれ、PPDS食品には食品名と全成分リストを表示し、リスト内でアレルゲンを強調(太字等)することを義務付けている。
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国食品基準庁(FSA)
情報源(報道) 英国食品基準庁(FSA)
URL https://www.food.gov.uk/research/conclusions-ppds-evaluation
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