食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06180180295
タイトル 国連食糧農業機関(FAO)、第97回FAO/世界保健機関(WHO)合同食品添加物専門家会議(JECFA) のサマリー及び結論を公表 (前半1/2)
資料日付 2023年11月24日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  国連食糧農業機関(FAO)は11月24日、第97回FAO/世界保健機関(WHO)合同食品添加物専門家会議(JECFA) のサマリー及び結論を公表した。概要は以下のとおり。
 本会合は2023年10月31日~11月9日までローマにおいて開催され、その目的は、特定の食品添加物及び香料の安全性を評価することであった。専門家会議の任務は、(a)食品添加物の評価を規定する原則の精緻化、(b)特定の食品添加物の安全性評価の実施、(c)特定の食品添加物の規格の見直し及び作成、(d)特定の香料の規格の確立であった。
 専門家会議では食品添加物1件の安全性評価(規格改定を含む)、及び香料3グループの安全性評価が行われた。
 会合の報告書は、WHOテクニカルレポートシリーズ(TRS 1051)において発表される。この報告書では、許容一日摂取量(ADI)及びその他の毒性、食事性ばく露、及び安全性についての勧告に関する、専門家会議の主な結論が要約される。また、専門家会議で検討された特定の食品添加物の同一性及び純度に関する規格、並びに香料の規格に関する審議及び結論についての情報も含まれる。
 参加者は附属書1に、第97回JECFA会議のサマリーレポートから派生する今後の作業及び勧告は附属書2にまとめられている。最後に附属書3には、JECFA事務局に報告があり、会議での評価によって必要と判断された訂正要請が記載されている(これらの訂正は、オンラインデータベースで利用可能な電子版でのみ行われることに留意されたい)。
 ADI を設定する際に専門家会議が考慮したデータをまとめた毒性学的モノグラフは、WHO 食品添加物シリーズ No.88において公表される。化合物の同一性及び純度に関する、新規及び改正された規格は、FAO JECFA モノグラフ No.32において公表される。
 「毒性学的及び食事性ばく露情報及び結論」
1. 毒性学的評価及び食事性ばく露評価を行った食品添加物
 二酸化チタン(Titanium dioxide:TiO2)
 専門家会議は、第13 回会合でTiO2(INS 171)を評価し、当時利用可能な実験動物及びヒトの研究において、有意な吸収がなく、毒性学的影響も乏しいことから、ADIを「特定しない(not specified)」とした。
 本会合では、INS 171の安全性評価に関連する、トキシコキネティクス、急性毒性、短期毒性、長期毒性及び発がん性、遺伝毒性、生殖・発達毒性に関する追加的な毒性学的研究、並びに結腸がんの短期起始・促進の可能性に関する特別な研究が検討された。
 専門家会議は、INS 171を代表すると考えられる多くのTiO2被験物質を特定した。さらに専門家会議は、INS 171とは比較にならないサイズ分布及び物理化学的特性をもつナノ粒子を含む被験物質を用いて、多数の毒性学的研究が実施されていることを認識した。代表的でない物質を用いたこれらの研究は専門家会議によって評価されたものの、INS 171の安全性評価には関連しないと結論された。
 INS 171は、マウス及びラットの消化管では吸収されにくかった。INS171を食餌に混ぜて投与したマウス及びラットの短期の研究において、それぞれの試験された最大投与量である、マウスで15,000 mg/kg体重/日、ラットで5,000 mg/kg体重/日の無毒性量(NOAEL)では、有害な影響は観察されなかった。専門家会議は、入手可能なデータではINS 171の遺伝毒性について説得力のある(convincing)エビデンスは得られないと指摘する一方で、溶解性の低い粒子状物質の試験に関する現在の方法論における限界を認識した。遺伝毒性データには不確実性があったが、専門家会議は、マウスとラットを用いて適切に実施された2年間の研究において、INS 171がそれぞれの試験された最大投与量である、マウスで7,500 mg/kg体重/日まで、ラットで2,500 mg/kg体重/日までの投与量で、発がん性を示さなかったことを考慮した。ラットを用いた試験における、INS171の試験された最大投与量である1,000mg/kg体重/日までの投与量での、生殖毒性あるいは発達毒性のエビデンスはなかった。
 ヒトにおける利用可能な研究及び組織の死後分析から、ヒトにおけるTiO2の経口バイオアベイラビリティは非常に低いことが示唆された。専門家会議は、現在のところ、INS 171 への食事性ばく露とヒトの健康への影響との関連性について、結論を導き出せるような疫学的研究はないことを指摘した。
 今回の会議で、専門家会議はINS 171への食事性ばく露の推定量を評価した。検討された推定量に基づき、専門家会議は、10 mg/kg体重/日というINS 171ばく露の高いレベル(95パーセンタイル)の推定量を選択して評価を行った。
 INS 171の経口吸収が非常に低いこと、及び食事中にINS 171に関連する特定可能なハザードがないことを考慮し、専門家会議は第13回会合で設定されたADIを「特定しない」という見解を再確認した。
 毒性学的及び食事性ばく露モノグラフの補遺が作成された。規格モノグラフが改訂された。アルミナ又はシリカでコーティングされたTiO2は食品添加物として使用されないため、アルミナ及びシリカの含有量に関する規格は削除された。0.5 N塩酸に可溶な鉛濃度の規格は 10 mg/kg から 5 mg/kg に、0.5 N塩酸に可溶なカドミウム 濃度は 1 mg/kg から 0.5 mg/kg に引き下げられた。
 化学的及び技術的評価は改訂された。

(後半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06180181295)
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 国際連合食糧農業機関(FAO)
情報源(報道) 国際連合食糧農業機関(FAO)
URL https://www.fao.org/food-safety/resources/publications/en/
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。