食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06170321149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、飼料中に含有されるオクラトキシンAと関連する動物衛生に対するリスクに関して科学的意見書を公表 (後半2/2)
資料日付 2023年11月7日
分類1 -
分類2 -
概要(記事) (前半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06170320149)

「毒性及び作用機序」
 子ブタを対象とした研究では、OTAにより腎臓及び肝臓の機能及び構造が損なわれ、成長期のブタでは、試験された用量においてのみ、長期ばく露により発育能力(growing performance)に影響が現れることが示されている。家きんにおけるOTA毒性に関し、新たに多数の研究が利用可能となっている。成長期のニワトリ(肥育用のニワトリ、採卵及び繁殖用に飼育されたニワトリ)において、OTAは肝臓及び腎臓の重量増加、胸腺重量の減少を引き起こし、肝臓の病変と関連していた。免疫抑制及び畜産学的能力(zootechnical performance、体重増加、飼料/増量比等)の低下が確認された。採卵鶏を対象としたOTAの研究からも同様の状況が確認され、卵の生産重量が大幅に減少し、飼料対卵の比率が悪化した。OTAへのばく露により、離乳したウサギの発育能力の低下が確認された。2004年のEFSA意見書では、ウマにおけるOTA毒性に関する実験データは報告されていない。しかしながら、他の単胃種同様、単蹄動物は反すう動物よりもOTAの影響を受けやすい可能性が示唆されている。ただし、最近実施された文献検索からは、これらの種においてマイコトキシンの悪影響を記述する、関連性のある報告は取得されていない。利用可能な魚類に関するデータから、サケ科魚類はOTAに対して比較的耐性のある種と見られ、試験した最高飼料濃度(2 mg OTA/kg飼料)まで測定可能な影響は観察されなかった。多様な草食魚の幼生において、畜産学的能力の低下、腸管透過性の増加、肝膵臓組織の変性が確認された。
 CONTAMパネルは、以下を動物衛生への悪影響に対するリファレンス・ポイント(RP)と判断している。
 ・ ブタ: 0.01 mg OTA/kg飼料
 ・ 成長期にあるニワトリ及び雌ニワトリ: 0.03 mg OTA/kg飼料
 ・ ウサギ: 0.01 mg OTA/kg飼料
 ・ 草食魚: 0.5 mg OTA/kg飼料
 反すう動物に関しては、情報不足のためRPの導出は不可能と結論する。しかしながら、去勢された成体の雄ヒツジ、子ウシ、授乳中の雌ヒツジ、ヤギを対象としてOTAの効果を評価した研究数件では、反すう胃微生物叢の保護機能が実証されており、ヒツジにおいて最大3.5 mg OTA/kg完全飼料という濃度まで確認された。イヌ及び養殖ミンクにおいては毒性の兆候が確認されているが、これらの動物種に対するRPの導出は不可能であった。情報を取得できなかったため、ネコに関しても同様である。
「発生データ」
 まず、飼料中に含有されるOTAに関し、EFSAのデータベースから総計10,757件の分析結果が抽出された(サンプリング期間: 2012 - 2021年)。評価、データクリーニング、乾物重(DM)を基準とする変換を経て、総計9,184件のサンプルデータが利用可能であった。OTA含有量が最も高かったのは「ソラマメ」及び「アルファルファ・ミール」である。穀類の中でOTA含有量が最も高かったのは「オオムギ穀粒」であり、配合飼料サンプルの中では、反すう前の子ウシ用の完全飼料であった。
「食餌性ばく露」
 食餌性ばく露は、飼料原材料から構成される食餌モデル、あるいは、配合飼料(完全飼料及び/又は補完飼料)から構成される食餌モデルの何れかに基づき、多様なシナリオを適用して実施された。反すう動物やウマにおいては、飼葉も考慮された。ばく露評価は、平均的シナリオ、あるいは、高ばく露シナリオ(利用可能サンプル数に基づき、信頼性の最も高いパーセンタイル)を適用して実施された。
「リスクの判定」
 リスクの判定は、RPが特定可能であった動物種、即ち、肥育用のニワトリ・採卵用のニワトリ・離乳したブタ・肥育用のブタ・雌ブタ・ウサギに対して実施された。ばく露量はサケ科魚類に対して導出されたが、RPは草食魚に対してのみ導出可能であったため、魚類に対するリスクの判定は不可能であった。CONTAMパネルは、リスクをそのリスクと関連するRPと比較してRPに対するパーセンテージとして提示し、100未満のパーセンテージは低リスクと判定した。
 ・ 離乳した子ブタのばく露量: RPの14 - 86%
 ・ 雌ブタのばく露量: RPの11 - 49%
 ・ 成長期のブタのばく露量: RPの11 - 54%
 ・ 肥育用のニワトリ及び雌ニワトリのばく露量: RPの2 - 17%
 ・ ウサギのばく露量: RPの16 - 55%
上記のインターバルは、2件のばく露シナリオにおける最低下限(LB)と最高上限(UB)の範囲を示す。CONTAMパネルは、上記の結果から、動物衛生に対する悪影響のリスクは低いことが示されると判断している。
「不確実性分析」
 評価に対する不確実性分析が実施された。不確実性は、リスク評価のアウトプットにおける潜在的なインプットに基づき、専門家により特定され優先順位が付された。リスクの判定が可能であった動物種(家きん類(雌ニワトリ・肥育用のニワトリ)、ブタ、ウサギ)に関して、CONTAMパネルは、豚、肥育用鶏、雌鶏、ウサギについて、飼料中に含有されるOTAと関連する動物衛生への悪影響のリスクは、95 - 99%の確信度をもって、「低い」と判断している。
「推奨事項」
 CONTAMパネルは、以下の推奨事項の提示をもって結論とする。
 ・ 複数の動物種、中でも、単蹄動物、イヌ、ネコ、養殖ミンクにおけるOTAのトキシコキネティクスに関し、さらなる情報が必要である。
 ・ 反すう動物、単蹄動物、イヌ、ネコ、養殖ミンクにおけるOTAの悪影響に関し、さらなるデータが必要である。
 ・ OTA発生データをEFSAへ提出する際、分析された飼料サンプルに関する適切な情報提供が求められる。これは、結果提示法に関する情報、及び、水分含量に関する情報(結果が全重量において提示される場合)、分析されたサンプルに関する十分な詳細情報(完全/補完配合飼料の対象となった動物種)の報告が、最低限要求されることを意味する。
 ・ 飼料原材料中に含有されるOTAの分析には最高感度の手法を適用し、LB-UB推定に関連する不確実性を低減する。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8375

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