食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06160081535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、ビスフェノールAに関する暫定見解表明書(第三稿) (TOX/2023/50)を公表 (後半2/2)
資料日付 2023年10月13日
分類1 -
分類2 -
概要(記事) (前半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06160080535)

 オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ)は、BPAの評価に関してNTPのCLARITY(訳注 BPAの毒性に関するアカデミック及び規制側からの知見をリンクさせたコンソーシアム)研究に言及しており、BPAのTDIに達するには非常に大量の食品と飲料を摂取する必要があることを指摘している。たとえば、生後9か月の乳児(体重9 kg)は、調査で判明した最高レベル(420 ppb (訳注 ppbは10億分の1))のBPAを含む缶入りベビーカスタードを1 kg以上摂取しなければならない。FSANZは、プラスチック製FCMにおけるBPAのSMLを0.6 mg/kg食品から0.05 mg/kg食品に引き下げるという2018年9月に発効した欧州(EU)規制は、確認された健康リスクに基づいていないと結論し、オーストラリアとニュージーランドの消費者に健康上の懸念を指摘しなかった。さらに、2010年にオーストラリア政府は、ポリカーボネート製哺乳瓶におけるBPAの使用の自主的な段階的廃止を発表した。2016年に実施された調査から、オーストラリアの消費者の食事ばく露は少なく、許容可能な安全限度内であることが判明した。COT事務局は、FSANZがこの評価にどのTDIを使用したのか見つけることができなかった。
 米国食品医薬品庁(US FDA)は、新しいデータの評価後、2014年にNOAEL 5 mg/kg体重/日(経口ばく露による)を支持した。当時、US FDAは、BPAへのばく露によるヒトの健康に対するリスクがあるとは考えていなかった。
 US EPAは、WebサイトでBPAに関する一般的な情報のみを提供しているが、US FDAとは協力してBPAの行動計画(action plan)を策定中であることに言及している。
 フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、2013年に実施した評価(Dossier de presse (※訳注2))で、特定の状況下では妊婦のBPAへのばく露は胎児に潜在的なリスクをもたらす可能性があることを指摘した。ANSESは、EFSAの2017年意見書(草案)の検討後、2013年の独自の評価の結論が引き続き有効であると考え、BPAに関するデータを更新するために積極的なモニタリングを推進する必要があると考えた。ANSESはBPAの評価を更新するというEFSAの任務に注目しているが、EFSAの2023年意見書に対するANSESの立場に関するさらに詳しい情報は現在入手できない。
 オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)は2016年、新たな洞察に基づいて、現在のEU基準を見直し、可能な限り短期間でBPAばく露を削減する必要があると指摘した。したがって、発育中の胎児、乳児、幼児は大人よりもBPAの影響に敏感であるため、小さな子供、妊婦、授乳中の女性の保護には特別な注意が払われる必要がある。RIVMは2014年にBPAに関する報告書(パート1)を発行し、BPAに関する知識の現状の概要を提供した。報告書のパート2は科学的知見を評価し、起こり得る健康リスクについて議論することを目的としている。COT事務局は、パート2、または、それが予想/計画通り2015年に発行されたかどうかに関する情報を見つけることができなかった。
 さらに、EU環境機関(EU Environment Agency)はBPAの概要を提供しているが、HBGVまたはEFSAの2023年評価に関する解説を提供していない。Choiらは論文(2010) (参考文献1)で、Tylら(参考文献2)によるラットおよびマウスの生殖研究のPODに基づき、0.05 mg/kg体重/日を韓国のTDIとして提案した。全身毒性に対するPODは、NOAEL (5 mg/kg体重/日)であった。Choi氏の論文には、EFSA (2015年評価)、カナダ保健省およびUS EPAによるHBGVを提供する表も含まれている。COT事務局は、US EPAのTDIの出典を見つけることができなかった。
 本委員会の意見が求められる質問
 1. 委員は、他の機関から提供された情報/HBGVについてコメントはあるか、つまり、委員会は、提供されたHBGVのいずれかが独自のBPA評価が完了するまでの暫定値として適用できると考えるか?
 2. 委員は、当該暫定見解表明書に関して何かコメントはあるか?
 3. 他に何かコメントはあるか?
(参考文献1) C.-W. Choi et al., Toxicol Res., 2010, 26, 285-291. Establishment of the Korean Tolerable Daily Intake of Bisphenol A Based on Risk Assessments by an Expert Committee, https://doi.org/10.5487/TR.2010.26.4.285
(参考文献2) R. W. Tyl et al., Toxicol. Sci., 2002, 68, 121-146. Three-generation reproductive toxicity study of dietary bisphenol A in CD Sprague-Dawley rats. https://doi.org/10.1093/toxsci/68.1.121 他1編
(※訳注1) 暫定見解書(第三稿) (TOX/2023/51)の内容は、暫定見解書(第二稿) (TOX/2023/45付属書A) (次のURLで閲覧可能)からの大幅な変更はない。
 https://cot.food.gov.uk/Second%20draft%20interim%20position%20statement%20on%20bisphenol%20A
(※訳注2) メディア関係者向けの資料
(注) 当該資料は、2023年10月17日開催予定の会議(COT Meeting)用の資料であり、COTの意見を反映するものではないことから論文などへの引用は禁止する。
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://cot.food.gov.uk/Third%20draft%20interim%20position%20statement%20on%20bisphenol%20A
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