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資料管理ID syu06120690314
タイトル ドイツリスク評価研究所(BfR)、サルモネラ属菌感染症の防御に関するQ&Aを更新 (1/3)
資料日付 2023年8月24日
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概要(記事) (この記事は 1 / 3 ページ目です)
 ドイツリスク評価研究所(BfR)は8月24日、サルモネラ属菌感染症の防御に関するQ&Aを更新した。概要は以下のとおり。
 ドイツで報告されたサルモネラ症の症例数は、2010年から今日に至るまで大幅に減少している。2010年には26,960例のサルモネラ症例が報告されたのに対し、2022年には11,256例しか報告されていない。しかし、サルモネラ属菌は、ドイツではカンピロバクターに次いで多くの腸疾患を引き起こしている細菌であり、特に暑い夏の時期に多い。この疾患は、下痢と腹痛を伴うことが多く、発熱、吐き気、嘔吐も生じる可能性がある。
 当該病原体は、特にサルモネラ属菌で汚染された食品を介して伝播する可能性がある。このようなサルモネラ属菌による汚染は、製造過程でも、その後の一般家庭における食品調理の際にも生じる可能性がある。従って、食品を取り扱う際の入念な衛生管理と、消費時まで生鮮食品を十分に冷却しておくことが重要な予防策となる。
 リスクの高い食品は、特に加熱不十分又は生の肉(家きん肉を含む)やそれらから製造される製品(ひき肉や生のソーセージなど)、加熱処理されていない卵及び卵泡沫、クリーム、菓子、マヨネーズ、アイスクリームなどの卵製品である。しかし、冷蔵されていないカット済みのメロンや未加熱のスプラウトなどの植物性食品の摂取もドイツではサルモネラ属菌による疾病の原因となっている。生後1年に満たない乳児や、高齢や基礎疾患などで免疫機能が低下している人たちのリスクが特に高い。
(以下、Q&A(全17問))
Q1. 人はどのようにサルモネラ属菌に感染するのか?
A1. サルモネラ症は典型的な食品媒介感染症であり、サルモネラ属菌の感染は通常、汚染された食品の摂取によって生じる。サルモネラ症は通常、下痢と腹痛を特徴とし、発熱、吐き気、嘔吐を伴うこともある。サルモネラ症の重症度や症状は、特に摂取したサルモネラ属菌の量と人体の防御機能によって決まる。これらの疾病の発生に影響する重要な要因は、特に、食品の製造、準備、保管の際に衛生規則や勧告が十分に遵守されていないこと、またサルモネラ属菌が含まれる食品を製造から消費まで継続的に冷蔵できていないことである。ドイツでは、サルモネラ属菌はカンピロバクターに次いで多くの腸疾患を引き起こす細菌である。
 爬虫類もサルモネラ属菌を保菌・排泄する可能性がある。カメ、ヘビ、アゴヒゲトカゲ、ヤモリ、カメレオンなどの爬虫類を家庭で飼育することは、感染リスクとなる。特に乳幼児は、爬虫類との直接接触や、汚染された表面や物を介して間接的にサルモネラ属菌に感染する可能性がある。
 ヒトのサルモネラ症に関する詳しい情報は、管轄の保健当局及びロベルト・コッホ研究所(RKI)が発表している。
 RKIは爬虫類によるサルモネラ症に関する情報(下記URL)も提供している。
https://www.rki.de/DE/Content/Infekt/EpidBull/Archiv/2013/09/Art_01.html
Q2. サルモネラ属菌に感染する可能性のある食品は?
A2. 加熱が不十分な肉や生の肉(家きん肉を含む)及びそれらから作られた製品(特にひき肉や生のソーセージ)は特に重要である。加熱処理されていない卵や、卵泡沫、クリーム、菓子、マヨネーズ、アイスクリームなどの卵製品も同様に重要である。しかし、生卵による疾病の発生は近年大幅に減少している。これは、採卵鶏におけるサルモネラ属菌の監視・管理のための欧州全域にわたるプログラムに起因する。
 さらに、植物性の食品がサルモネラ症の原因として観察されることが増えている。例えば、冷蔵されていないカット済みメロン又は未加熱のスプラウトである。サルモネラ属菌に汚染されたチョコレートなどの脂肪分の多い食品も、サルモネラ症を引き起こす可能性がある。特に脂肪分の多い食品にサルモネラ属菌が含まれている場合、病気を引き起こすのに僅な細菌数で十分である可能性がある。過去には、スパイスやハーブティーもドイツではサルモネラ症の原因となった。
Q3. 食品はどのようにしてサルモネラ属菌に汚染されるのか?
A3. 家畜は症状を呈さず、サルモネラ属菌に感染する可能性がある。したがって、サルモネラ属菌は、と殺プロセス中又は動物の糞尿の施肥を通じて食品に移行する可能性がある。さらに、感染者は、食品の生産又はその後の製造工程における衛生管理不足により、食品をサルモネラ属菌で汚染する可能性がある。そのため、畑や家畜小屋から食卓に並ぶまで、食品の生産及び加工のすべての段階で適用される衛生規則の遵守が非常に重要である。
 さらに、サルモネラ属菌を含まない非加熱喫食用(RTE)食品がサルモネラ属菌を含む食品によって汚染される可能性があり、これを「交差汚染」と呼ぶ。食品の製造工程やその後の一般家庭での食品調理時において衛生的規則が守られていない場合に発生する可能性がある。そのため、食品を扱う際に注意深く衛生管理に留意することが最も重要な予防策の1つである。人による細菌の伝播を防ぐために、生の食品の調理後及びトイレの後は、手を温水と石鹸で洗い、念入りに乾燥させ、手に付着した細菌の数を大幅に減少させることが重要である。
Q4. サルモネラ属菌は食品中でどのくらい生存するか?
A4. サルモネラ属菌は10~47℃、場合によっては6~8℃の温度範囲で生育する。環境中だけでなく、様々な食物中や食物の表面においても、最長で数か月間生存できる。冷凍してもサルモネラ属菌を完全に死滅させることはできない。サルモネラ属菌は60℃以上の温度で死滅し始める。
Q5. 食品を保管する際に留意すべきことは?
A5. 食物(Speise)を7℃未満の温度で保存する場合、サルモネラ属菌はその中で増殖できない。サルモネラ属菌に感染するリスクを低減するために、サルモネラ属菌を含む可能性のある食品は、製造時から喫食時まで冷蔵保存する必要がある。屋外でのバーベキュー、ピクニック、ガーデンパーティーなどでの食物提供時においても、同様に冷やしておく必要がある。

(次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06120691314)
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL https://www.bfr.bund.de/de/fragen_und_antworten_zum_schutz_vor_infektionen_mit_salmonellen-199146.html
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