食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06120130535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、食品中の無機ヒ素が公衆衛生に与えるリスクについての欧州食品安全機関(EFSA)の2023年再評価に関するペーパー(TOX/2023/46)を公表 (1/3)
資料日付 2023年8月23日
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概要(記事) (この記事は 1 / 3 ページ目です)
 英国毒性委員会(COT)は2023年8月23日、食品中の無機ヒ素が公衆衛生に与えるリスクについての欧州食品安全機関(EFSA)の2023年再評価に関するペーパー(TOX/2023/46)を公表した。概要は以下のとおり。
 はじめに
 2023年7月、EFSAの「フードチェーンにおける汚染物質に関する科学パネル」(CONTAMパネル)は、食品中における無機ヒ素(iAs)の存在から生じる健康リスクを再評価する意見書案を公表した。EFSAは、iAsの毒性影響に関する新たな研究、健康への有害影響に関する新たな情報、存在データ/推定ばく露量が入手可能になったことから、評価を更新することが適切であると考えた。
 EFSAは、iAsが遺伝毒性発がん物質であり、さらにエピジェネティックな影響も示すことから、ばく露マージン(MOE)アプローチを適用した。MOEは皮膚がんに対する健康上の懸念を提起し、そのことは不確実性分析によって裏付けられたが、ヒトのがんのエンドポイントの使用およびEFSAのガイダンスの欠如のため、EFSAは懸念の低いレベルを導き出すことができなかった。
 有機Asの評価については、2つの意見がある。メチル化As種についての意見とアルセノベタイン(arsenobetaine (※訳注1))、ヒ素脂質(asenolipid (※訳注2))、ヒ素糖(arsenosugar (※訳注3))およびその他の可能性のある有機As種についての意見である。EFSAはまた、個々のリスク評価が完了した時点で、無機Asと有機Asの複合ばく露を評価する予定である。
 EFSAのパブリックコンサルテーションの締め切りは2023年9月10日である。9月6日(水)までに、可能であれば該当するセクションまたは行番号を記入の上、コメントを事務局に送付すること。
 背景
 ヒ素(As)は、天然および人為起源の両方において、有機および無機の様々な形態で存在する。水や飲料水中のAsは通常、オキソアニオンである亜ヒ酸塩やヒ酸塩として無機形態で存在し、有機Asはまれである。食品や飼料中のiAsは、主にチオール錯体または亜ヒ酸塩やヒ酸塩として存在するが、ペプチドやタンパク質のチオール基に結合したiAsは亜ヒ酸塩やヒ酸塩に変換されるため、存在のデータは主にこれら2種類として記録される。
 Asに関する過去のEFSAの評価
 2009年、EFSAのCONTAMパネルは、皮膚病変、がん、発達毒性、神経毒性、心血管疾患、糖代謝異常、糖尿病をiAsの主な有害影響とみなした。
 1983年、国連食糧農業機関(FAO)/世界保健機関(WHO)合同食品添加物専門家会議(JECFA)が設定した暫定耐容一日摂取量(PTDI)より低い濃度でAsの影響が報告されていたため、EFSAはPTDIがもはや適切ではないと考えた。EFSAは、疫学研究から得られた用量反応データをモデル化し、iAsが皮膚、膀胱、肺のがんを引き起こす可能性に基づいて、対照群と比較して症例数が1%増加するベンチマーク用量(BMDL01) 0.3~8 μg/kgを基準値(reference point(RP))として導き出した。そして、当時の推定ばく露量に基づき、EFSAは消費者へのリスクの可能性があると結論した。
 有機Asの形態について、EFSAは、魚介類に含まれるAsの主な形態であるアルセノベタインには、毒性学的な懸念はないと結論した。データ不足のため、EFSAは、ヒ素糖、ヒ素脂質、メチルアルセネート(methylarsenate)およびジメチルアルシネート(dimethylarsinate)のリスクについて結論/検討することはできなかった。
 2014年、EFSAは欧州の人々のiAsへの食事ばく露に関する科学的報告書を発表した。この報告書では、穀物を主原料とする製品が主な原因であり、米、牛乳、乳製品も大きく寄与していると指摘されている。
 2023年のAs再評価(抜粋)
 iAsおよびその代謝物は、in vitroおよびin vivo(ヒトを含む)の両方において、酸化ストレスを介して、DNAの酸化、DNAの一本鎖切断、および染色体構造異常(clastogenic)や染色体数的異常(aneugenic)を誘発する。有害作用経路(AOPs)を利用して、iAsばく露後の酸化的損傷は突然変異や染色体異常と関連していることが示された。iAsは、DNAとの直接的な相互作用がないため、間接的な遺伝毒素に分類されるが、iAsには、非常に低濃度でDNA修復を阻害する能力をもつという特徴がある。したがって、EFSAは、DNA修復/DNA損傷応答(DDR)システムとの相互作用は非線形の用量反応関係に従うかもしれないが、iAsの慢性ばく露下での細胞応答は、遺伝的不安定性および疾病リスクがいずれも増大するDNA修復/DDR欠損細胞と同様であると考えた。
 iAsのトキシコキネティクスは、メチル化能に関して実験動物とヒトで大幅に異なるため、動物実験による毒性データはヒトのリスク評価には適さない。そのため、EFSAは2023年のiAs再評価において、ヒトの試験のみを考慮した。2009年の前回評価では、疫学研究のほとんどが入手できなかった。
 ばく露は、水中のヒ素濃度が約150 μL(※訳注4)未満、または等価用量(尿、足の爪、毛髪)から推定されるバイオマーカー濃度として定義された、長期的な低~中程度のレベルのiASに基づいている。
 EFSAは、疫学調査から、iASへの低~中程度のばく露と、皮膚、膀胱、肺のがん、自然流産、死産、乳児死亡率、先天性心疾患、呼吸器疾患、慢性腎臓病、神経発達への影響、虚血性心疾患、頸動脈アテローム性動脈硬化症との関連について、十分かつ因果関係のあるエビデンスがあると考えた。

(次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06120131535)
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://cot.food.gov.uk/EFSAs%202023%20re-evaluation%20of%20the%20risk%20to%20public%20health%20from%20inorganic%20arsenic%20in%20food

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