食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06100191295
タイトル 国連食糧農業機関(FAO)、第96回FAO/世界保健機関(WHO)合同食品添加物専門家会議(JECFA) のサマリー及び結論を公表 (後半2/2)
資料日付 2023年7月14日
分類1 -
分類2 -
概要(記事) (前半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06100190295)

 会議は、ヒトにおけるアスパルテーム摂取と、がん、2型糖尿病(T2D)、その他のがん以外の健康上のエンドポイント等、特定の健康影響との関連を調べるために、ランダム化比較試験(RCT)及び疫学研究のデータを評価した。
 会議は、アスパルテームあるいはアスパルテームを高甘味度甘味料として含有する飲料を用いて実施されたいくつかのコホート研究において、肝細胞がん、乳がん、血液がん(非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫)等、一部のがんについて統計的に有意な増加が報告されたことに留意した。しかし、アスパルテームの摂取と特定のがんの種類との間に一貫した関連は観察されなかった。全ての研究では、そのばく露評価に関して限界があり、多くの研究においては特に、アスパルテームと高甘味度甘味料全般に関して限界がある。社会経済的要因やライフスタイル要因、あるいは他の食事成分の摂取による逆の因果関係、偶然性、バイアス、交絡を排除することはできない。全体として、会議は、アスパルテームの摂取とヒトにおけるがんとの関連のエビデンスは説得力がないと結論した。
 ヒトにおけるアスパルテーム摂取がT2Dやその他のがん以外の健康エンドポイントに及ぼす影響を評価したいくつかの研究では、一貫性のない結果を示していた。例えば、RCTではアスパルテーム摂取後の血糖反応の低下が示されたが、疫学研究においてアスパルテーム摂取は、より大きなT2Dリスクと関連していた。会議は、疫学研究の結果が、T2D症例の特定方法(特定の投薬及び自己申告による医師の診断)によってゆがめられている可能性があることに留意した。したがって、会議は、アスパルテームの摂取と評価されたがん以外の健康エンドポイントとの関連を示すエビデンスは説得力がないと結論した。
 総括として会議は、動物やヒトの試験データによる、アスパルテームが摂取後に有害な影響を及ぼすという説得力のあるエビデンスはないと結論した。この結論は、アスパルテームは消化管内で完全に加水分解され、一般的な食品を摂取した後に吸収される代謝産物と同様の代謝産物になること、及び全身循環に入るアスパルテームはないという情報に裏付けられている。会議は、今回の会議で評価されたデータから、アスパルテームについて以前に設定されたADIである0~40 mg/kg 体重を変更する理由はないと結論した。したがって、会議は今回の会合で、アスパルテームのADIは 0~40 mg/kg 体重ということで再確認した。
 会議では、アスパルテームの食事性ばく露推定値の平均値について、小児(children)は10 mg/kg体重/日まで、成人(adults)は5 mg/kg体重/日まで、高食事性ばく露においては小児20 mg/kg体重/日まで、成人は12 mg/kg体重/日までが今回の評価に適切であると判断した。
 会議は、これらの食事性ばく露推定値がADIを超えないことに留意した。したがって、会議は、アスパルテームの食事性ばく露は健康上の懸念をもたらすものではないと結論した。
 提出されたデータを見直した後に、会議は第 82回会議で改正されたアスパルテームの規格モノグラフに次の変更を加え、製造に関する詳細を記載すべく説明を更新した。具体的には、機能的用途への風味増強剤の追加、測定方法の高速液体クロマトグラフィー法への置き換え、「その他の関連不純物」の試験及び規格の追加、「その他の光学異性体」の試験及び規格の削除である。
 アスパルテームの毒性学及び食事性ばく露モノグラフの補遺が作成された。アスパルテームの規格が改正された。
(以下、略)
 当該サマリー及び結論は以下URLから閲覧可能(PDF版10ページ、英語)。
https://www.fao.org/3/cc6908en/cc6908en.pdf
(※訳注:以下、本会議の対象となったもの)
・食品添加物1件の安全性評価:
アスパルテーム
・食品添加物3件の規格改正:
Lycopene(synthetic); and lycopene from Blakeslea trispora
Pentasodium triphosphate
Steviol glycosides
・香料2グループの安全性評価:
A. Esters of aliphatic acyclic primary alcohols with branchedchain aliphatic acyclic acids
B. Hydroxy and alkoxysubstituted benzyl derivatives
・香料8件の規格改正 :
(E)-2-hexenal diethyl acetal
3-Butylidenephthalide
1,4-Cineole
Octahydrocoumarin
3-(l-Methoxy)-2-Methylpropane-1,2-diol
p-Methane-3,8-diol
p-Isopropylacetophenone
Acetanisole
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 国際連合食糧農業機関(FAO)
情報源(報道) 国際連合食糧農業機関(FAO)
URL https://www.fao.org/food-safety/resources/publications/en/
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