食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06100190295
タイトル 国連食糧農業機関(FAO)、第96回FAO/世界保健機関(WHO)合同食品添加物専門家会議(JECFA) のサマリー及び結論を公表 (前半1/2)
資料日付 2023年7月14日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  国際連合食糧農業機関(FAO)は7月14日、第96回FAO/世界保健機関(WHO)合同食品添加物専門家会議(JECFA) のサマリー及び結論を公表した。概要は以下のとおり。
 会議は2023年6月27日~7月6日までジュネーブにおいて開催された。本会議の目的は、特定の食品添加物及び香料の安全性を評価することであった。会議の任務は、(a)食品添加物の評価を規定する原則の精緻化、(b)特定の食品添加物の安全性評価の実施、(c)特定の食品添加物の規格の見直し及び作成、(d)特定の香料の規格の確立であった。
 D. Benford博士が委員長、R. Cantrill博士が副委員長を務めた。
 会議では食品添加物1件の安全性評価、食品添加物3件の規格改正、香料2グループの安全性評価、及び香料8件の規格改正が行われた。
 会議の報告書は、WHOテクニカルレポートシリーズ(No.1050)において発表される。この報告書では、許容一日摂取量(ADI)及びその他の毒性、食事性ばく露、及び安全性についての勧告に関する、会議の主な結論が要約される。また、会議で検討された特定の食品添加物の同一性及び純度に関する規格、並びに香料の規格に関する審議及び結論についての情報も含まれる。
 参加者は附属書1に、第96回JECFA会議のサマリーレポートから派生する今後の作業及び勧告は附属書2にまとめられている。最後に附属書3には、JECFA事務局に報告があり、会議での評価によって必要と判断された訂正要請が記載されている(これらの訂正は、オンラインデータベースで利用可能な電子版でのみ行われることに注意すること)。
 ADI を設定する際に会議が考慮したデータをまとめた毒性学的モノグラフは、WHO 食品添加物シリーズ No.87において発表される。化合物の同一性及び純度に関する、新規及び改正された規格は、FAO JECFA モノグラフ No.31において発表される。
「毒性学的及び食事性ばく露情報及び結論」
毒性学的評価、食事性ばく露評価及び規格改正を行った食品添加物
・アスパルテーム(Aspartame)
 第 25 回会議ではアスパルテームの許容一日摂取量(ADI)を0~40 mg/kg 体重に設定した。この ADI は、Ishii らが報告した食事においてアスパルテームにばく露したラットでの104 週間の研究において、試験された最高用量である4,000 mg/kg 体重/日の無毒性量(NOAEL)及び不確実係数100の適用に基づいていた。 今回の会合では、以前の会議による評価以降に入手可能になったアスパルテームの代謝産物及び分解産物に関する生化学的、毒物学的及び疫学的な研究を評価した。 会議はまた、アスパルテームの食事性ばく露の推定値も初めて評価した。
 経口ばく露後、アスパルテームはヒト及び動物の消化管内で完全に加水分解され、フェニルアラニン、アスパラギン酸、メタノールの3つの代謝産物になる。したがって会議は、食事性ばく露後のアスパルテームの全身ばく露はないことを再確認した。フェニルアラニン、アスパラギン酸、メタノールは、酵素触媒による加水分解によって、一般的に摂取される食品からも放出される。
 アスパルテームは全身循環前(pre-systemic)の加水分解後、これらの物質は一般的な食品の摂取に由来する濃度よりも低い濃度で全身循環に入る。会議では、現行のADI以下の用量でのヒトにおけるアスパルテーム経口ばく露研究において、アスパルテームの代謝産物の血漿濃度の増加がなかったことに留意した。
 会議は、アスパルテームの経口ばく露による遺伝毒性の懸念はないと結論した。
 会議は、アスパルテームの 12 件の経口発がん性研究のデータを評価し、それら全てに欠陥があることを特定した。会議では、Soffrittiらによる研究以外のすべての研究はネガティブの結果を示していたことに留意した。 会議は、Soffrittiらのポジティブな結果を検討し、これらの研究の研究設計、実施、報告、解釈には限界があることに留意した。特にその理由としては、ほとんどの動物が自然死に至ることが許容される試験プロトコルが使用されていたことである。その結果、加齢に伴うがん発生の増加よって、これらの研究の解釈は複雑なものとなった。会議は、Soffrittiらの研究は関連の不確実性によって、アスパルテームのリスク評価には使用できないという見解に達した。会議は、Ishiiらによる発がん性研究は現行の検査ガイドラインをほぼ満たしたうえで、ネガティブな結果を示していると結論した。会議は、酸化ストレス等、がんの誘発に関連する可能性のあるメカニズムを調査した、最近発表されたいくつかの研究を見直した。酸化ストレスマーカーの変化を報告した研究では、その設計に限界があった。会議は、長期にわたる酸化ストレスから予想される病理組織学的変化は、アスパルテームのその他の短期及び長期毒性研究においては観察されなかったことに留意した。
 会議は、Ishiiらの研究のネガティブな結果及びその他の発がん性研究のネガティブな結果、遺伝毒性の懸念がないこと、並びにアスパルテームの経口ばく露ががんを誘発するもっともらしいメカニズムがないことを踏まえ、アスパルテームの経口ばく露による動物における発がん性の懸念はないと結論した。
 ラットを用いた 1 世代又は 2 世代の生殖・発達毒性研究におけるNOAELは、試験された最高用量である4,000 mg/kg体重/日であった。マウスにおける発達毒性の NOAEL は、試験された最高用量である5,700 mg/kg体重/日であった。したがって、会議は、アスパルテームは動物における生殖・発達毒性物質ではないと結論した。

(後半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06100191295)
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 国際連合食糧農業機関(FAO)
情報源(報道) 国際連合食糧農業機関(FAO)
URL https://www.fao.org/food-safety/resources/publications/en/
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