食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06100111535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、ビスフェノールAについての暫定見解表明草案を公表 (後半2/2)
資料日付 2023年6月29日
分類1 -
分類2 -
概要(記事) (前半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06100110535)

 附属書1 中間ポジションペーパー案
 本委員会は、EFSAが設定したBPAの新たなTDIの科学的根拠とリスク管理への影響を検討し、健康に基づくガイダンス値(HBGV)の導出に必要である堅牢な(robust)POD(point of departure)を導き出すためのエビデンスの統合が大幅に不足していると考えた。これらの懸念から、COTはEFSAの意見書を支持することができなかった。
 EFSAのCEFパネルは、免疫系におけるヘルパーT17(Th17)細胞の割合の増加が最も感度の高いエンドポイントであり、したがってBPAの重大な有害影響であると考え、0.2 ng/kg体重/日の新たなTDIを設定した。EFSAは、新たなTDIをヒト等価用量(HED)8.2 ng/kg体重/日に基づいて設定し、全体的な不確実係数(UF)5、そしてトキシコダイナミクスの種間差とトキシコキネティクスおよびトキシコダイナミクスの種内多様性についてはそれぞれUF2.5と10が適用された。トキシコキネティクスの種間多様性については、HEDへの換算ですでに考慮されているため、UFは適用されなかった。
 新たなTDIは、当初提案された0.04 ng/kg体重/日より高いが、2015年のばく露評価に基づけば、すべての年齢層の平均的な消費者と高水準の消費者の摂取量は、当該TDIを2~3桁上回る可能性がある。
 EMAとBfRは、HBGVの導出に中間エンドポイントを使用すること、研究データの検討で適用された手法と検討された論文の発表期間、不確実性分析と臨床的関連性/動物からヒトへの外挿、HEDの導出を含むリスク評価の手法など、見解の相違を強調するコメントをEFSAに提出した。見解の相違が解消されなかったため、それぞれの機関の設立規則に従って、EFSAとEMA/BfRは、争点となっている科学的問題を明確にし、データに関連する不確実性を特定する共同文書を欧州委員会(EC)に提出する義務を負った。
 COTは、2022年2月の臨時会合でEFSAの意見書案について議論し、パブリックコンサルテーションにコメントを提供した。EFSAの最終見解とEMAおよびBfRの見解の相違については、2023年5月のCOT会合で議論された。COTは、EMAとBfRが提起した科学的問題点が、パブリックコンサルテーションと最近の会合でCOTが強調した懸念およびコメントと一致していることに留意した。
 本委員会は、Th17細胞の割合の増加が、新しいHBGVの導出に適用される科学的に適切で堅牢な中間エンドポイントであるというEFSAの評価に同意しなかった。本委員会は、BPAに関する全データベースを評価することは実行不可能であり、他の研究にも同様に不確実性があることを認めたが、今回のEFSAのプロトコルは、データ評価において極めて制限されていた。エンドポイントの不確実性を考慮すれば、堅牢なPODを導き出すために、エビデンスの重み付け法とエビデンスの統合をより広範なデータセットに対して適用すべきであった。
 EFSAは以前、暫定TDI(t-TDI)とばく露推定量を比較して、どの年齢層でも食事からのばく露による健康への懸念はなく、総ばく露(aggregated exposure)による健康への懸念は低いと結論した。今回の意見書では、EFSAは、ばく露評価の実施を明確に要請されたわけではなかったことから、使用されたデータは消費者の現在のばく露を正確に反映していない可能性があると指摘した。COTは、この結論に同意し、BPAへのばく露量を低減するための取り組みが産業界によって行われていることから、以前のデータは現在のばく露量を反映していない可能性があると指摘した。
 本委員会は、新たなエビデンスを考慮してTDIを修正し、十分な保護的な効果を確保する必要がある可能性を考慮したが、バランスのとれたエビデンスの重み付けは、EFSAが導き出した結論や、EFSAが導出したTDIと同程度の低いTDIを支持するものではなかった。
 これらのことから、COTはEFSAの意見を支持することができず、したがって、英国の消費者を保護する耐容摂取量を導き出すために、以前のエビデンスと最近のエビデンスを評価し、統合する必要があると考えた。
(注) 当該資料は、2023年7月11日開催予定の会議(COT Meeting)用の資料であり、COTの意見を反映するものではないことから論文などへの引用は禁止する。
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://cot.food.gov.uk/Draft%20Interim%20position%20statement%20on%20bisphenol%20A
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