食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06060050535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、欧州食品安全機関(EFSA) 2023年度版「食品中のビスフェノールA(BPA)による公衆衛生へのリスクに関する再評価書」についての議論のための背景報告書を公表 (1/4)
資料日付 2023年5月22日
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概要(記事) (この記事は 1 / 4 ページ目です)
 英国毒性委員会(COT)は2023年5月15日、欧州食品安全機関(EFSA) 2023年度版「食品中のビスフェノールA(BPA)による公衆衛生へのリスクに関する再評価書」についての議論のための背景報告書を公表した。概要は以下のとおり。

 序論
 2021年12月、EFSAの食品接触材料、酵素、加工助剤(CEP)に関するパネルは、食品中に存在するビスフェノールA(BPA)に起因する健康リスクを再評価する意見書草案を発表した。パネルは、当時の時点における暫定的な耐容一日摂取量(TDI) 4μg/kg体重(bw)/日を0.04 ng/kgbw/日に引き下げることを提案した。
 EFSAは、パブリックコンサルテーションを経て、2023年4月にBPAの再評価に関する最終意見書を発表した。パネルは、最終意見書において、新たなTDIを0.2 ng BPA/kgbw/日に設定した。この新TDIは、当初提案された0.04 ng/kgbw/日よりも高い値であるが、それでも、すべての年齢層の平均的な消費者と高レベルの消費者の両方が、新TDIを2~3桁超えてしまうことを意味する。
 欧州医薬品庁(EMA)およびドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、EFSAに対し、見解の相違を指摘するコメントを提出した。見解の相違が解消されなかったため、それぞれの機関の設立規則に基づいて、EFSAとEMA/BfRは、論争となっている科学的問題を明確にし、データの関連する不確実性を特定する共同文書を欧州委員会(EC)に提出する義務を負っている。
 本文書では、EFSAによる新しいTDIの導出について簡潔にまとめ、EMAおよびBfRとの見解の相違を主に取りあげる。
 背景
 BPAは、ポリカーボネートなどの高分子材料の製造に使用されるモノマーである。ポリカーボネートは、再利用可能な飲料ボトル、乳児用哺乳瓶、食器、保存容器などの食品接触材料に使用されている。
 BPA は、食品と接触することを意図したプラスチック材料および物品に関する欧州委員会規則 (EU) No 10/2011/EU1および維持されている英国の法律に従い、プラスチック製食品接触材料におけるモノマーとしての使用が許可されている。BPAの特定移行成分限界値(specific migration limit)は0.05 mg/kgであり、EFSAによるBPAの2015年版評価の際、3 mg/kgから引き下げられた。
 EFSAによるBPAの2015年版評価
 2015年、EFSAのCEPパネルは、暫定TDI(tTDI)を4μg/kgbw/日に設定した。動物実験で報告された「可能性が高い」有害影響は、腎臓と乳腺で観察されると判断された。観察結果には、ベンチマーク用量反応モデリングが適用され、BMDL10(訳注 有害影響の発現率10%をもたらすベンチマークレスポンス(BMR)の95%信頼区間の下限値)が見積もられた。マウスの2世代毒性試験において、平均相対腎臓重量の変化について、8,960 μg/kgbw/日のBMDL10が算出された。トキシコキネティクスに関するデータを用いて、当該BMDL10はヒト等価用量(HED) 609 μg/kgbw/日に換算された。パネルは、種間および種内の差異、乳腺、生殖、神経行動、免疫、代謝系への影響の不確実性を考慮して150の不確実係数(UF)を適用し、tTDIを4 μg/kgbw/日と設定した。
 EFSAによるBPAの2023年版再評価
 2016年、CEPパネルは、食品中に存在するBPAに関連する公衆衛生上のリスクを再評価する新たな指令をECから受け、同時に、BPAの再評価のための新規試験の組み入れ基準および毒性学的エビデンスの評価基準を詳述するプロトコルを確立し、効率的かつ透明性の高い再評価を確保することが求められた。
 TDIの導出
 EFSAは、EFSAのガイダンスに従って、「非常に可能性が高い」または「可能性が高い」と判断されたすべてのエンドポイントの用量反応モデリングのためにベンチマーク用量(BMD)分析を行った。
 EFSAによって、BPAによる複数の影響が確認され、他のエンドポイントについてもTh17細胞(訳注 インターロイキン17(IL-17)を産生する炎症性ヘルパーT細胞の一種)の数の増加と同様の用量範囲で有害影響が観察された。生殖と発達の影響(原始卵胞と全卵胞の比率、精子運動率)、代謝影響(尿酸)は、Th17細胞のBMDLよりも最大で7倍高いBMDLを示した。しかし、免疫系におけるTh17細胞の割合の増大が最も敏感であり、それ故に重要な影響であると考えられた。EFSAとBfRの見解の相違に関する報告書の中で、EFSAはさらに、極めて重要な研究(Luoら、2016) (文献1)の選択は、科学論文のバイアスの危険性を精査した上でのものであることを明らかにした。
 Luoら(2016) (文献1)が報告した用量に基づいて見積もられた最も低いBMDL40はHED 8.2 ng/kgbw/日に変換され、HBGVを導出するための参照値(RP)として用いられた。EFSAは、トキシコキネティクスにおける種間多様性のUFを適用しなかったが、これはHEDへの変換ですでに考慮されていたためである。トキシコダイナミクスの種間差およびトキシコキネティクスとトキシコダイナミクスの種内多様性については、それぞれ既定値のUF 2.5および10が適用された。

(次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06060051535)
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2023-05/TOX-2023-25%20BPA%20Acc%20V.pdf

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