食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06060040149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、更新されたビスフェノールA評価に関するEFSAと欧州医薬品庁(EMA)の意見相違についての報告書を公表 (前半1/2)
資料日付 2023年4月19日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は4月19日、更新されたビスフェノールA評価に関するEFSAと欧州医薬品庁(EMA)の意見相違についての報告書を公表した。概要は以下のとおり。
 背景
 2021年12月15日、EFSAは、食品に含まれるビスフェノールA(BPA)の存在に関連する公衆衛生に対するリスクの再評価に基づき、BPAの耐容1日摂取量(TDI)を暫定値4μg/kg体重/日(2015年1月21日公表)から0.2 ng/kg体重/日へと20,000分の1に引き下げることを提案した。EFSAの本提案書の草案は、2021年12月15日から2022年2月22日までパブリックコンサルテーションを受けた。EMAは、EFSAの科学的評価の様々な側面に関する見解の相違を強調するコメントをいくつか提出した。EMAのコメントは、主にリスク評価に対する科学的アプローチとリスクの定量化法に関する両機関の見解の相違に関連するものであった。
 EFSAとEMAの設立規則、および両機関の間で締結された覚書では、科学的見解の相違が生じた場合、それを解決するために協力することが、EFSAにおいては規則(EC)No 178/2002の第30条に、EMAにおいては規則(EC)No 726/2004の第59条に規定されている。科学的な問題に関して実質的な相違があり、解決できない場合、EFSAとEMAは、相違点を解決するか、争点となる科学的問題を明確にすると共に、データにおける不確実性を明らかにする共同文書を欧州委員会に提出する義務がある。2022年11月29日、両機関の間で会議が開かれ、EFSAの科学的意見に対するEMAの見解の相違を議論し、収束の可能性の機会が見極められた。
 科学的見解の相違点(抜粋)
 a) BPAの評価における有害影響の定義
 EFSAは、健康影響に基づく指標値(HBGV)を設定するための基準点として、妊娠中にばく露したマウスの仔マウスの脾臓におけるTh17細胞(訳注 インターロイキン17(IL-17)を産生する炎症性ヘルパーT細胞の一種)の割合の増大(Luoら、Environmnental Toxicology and Pharmacology, 47, 149-158 (2016))、マウスの卵巣卵胞数の減少(Huら、Reproductive Sciences, 25(4), 609-620 (2018))をエンドポイントとして考慮した。
 EMAは、マウスでTh17細胞数の増加や卵巣卵胞数の減少が観察されたことに異論を唱えるものではないが、これらの観察結果がヒトへのばく露に与える影響を考慮する場合、異なる科学的アプローチをとり、因果関係のエビデンス(生物学的意義および妥当性に基づいた、有害影響につながる病因、作用機序、臓器障害の臨床的または病理組織学的エビデンス)が必要であると考えている。
 マウスにおけるTh17細胞数の増加は、ヒトにおける免疫グロブリンIgE(訳注 アレルギーの原因物質(アレルゲン)に対して作用し、身体を守る機能をもつ抗体)を介した免疫障害のリスクの増大につながるというEFSAの主張を裏付けるエビデンスは不十分であると考えている。また、マウスにおける卵巣卵胞数の減少を示す孤立した1つの研究結果に基づいて、ヒトにおける生殖能力に障害を与えると結論することはできないと考えている。
 b) 中間エンドポイントvs最終(apical)エンドポイント
 EMA は、現在の科学的知見に基づいて、Th17細胞とIgE仲介アレルギーの因果関係を支持しない。さらに、米国保健福祉省の国家毒性プログラム(NTP)の下で実施された、BPA の毒性に関する研究を含む広範で堅実な毒性研究を包含するプログラムであるCLARITY-BPAプログラムの枠組みでの研究では、低用量での免疫毒性のエビデンスは得られなかった(https://ntp.niehs.nih.gov/whatwestudy/topics/bpa/index.html)。
 EFSAは、Th17細胞とIgEを介したアレルギーとの間に直接的な因果関係がないことに同意している。しかし、EFSAは、定量的な有害影響経路がない場合でも、Th17細胞といくつかの有害影響の関連性を示すエビデンスが存在することを強調した(訳注 最近の研究でも、同じ用量範囲でマウスにおけるTh17細胞の割合への影響が確認されている。ただし、アレルギーに関連するエビデンスは、十分ではないとEMAは考えている)。

(後半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06060041149)
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/sites/default/files/2023-04/ema-efsa-article-30.pdf
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