食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06050030149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、食品中のビスフェノールAの存在に関連する公衆衛生へのリスクの再評価に関する科学的意見書を公表
資料日付 2023年4月19日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は4月19日、食品中のビスフェノールA(BPA)の存在に関連する公衆衛生へのリスクの再評価に関する科学的意見書(2022年12月6日採択、392ページ、doi: 10.2903/j.efsa.2023.6857)を公表した。概要は以下のとおり。
 2015年、EFSAはBPAに対し4 μg/kg体重/日の暫定耐容一日摂取量(t-TDI)を確立した(※訳注1)。2016年、欧州委員会(EC)はEFSAに対し、食品中のBPAの存在による公衆衛生へのリスクを再評価し、TDIを確立するよう委任した。
 この再評価のため、意見公募を経て事前に確立された手順書(protocol)が使用された(※訳注2)。EFSAの「食品接触材料、酵素及び加工助剤に関する科学パネル」(CEPパネル)は、BPA が直接的なメカニズムを通して遺伝毒性ハザードを引き起こす可能性は考えにくい(unlikely)~非常に考えにくい(very unlikely)と結論した。
 動物のデータによるエビデンス及びヒトの観察試験による裏付けを考慮し、免疫系がBPAへのばく露に最も影響を受けやすいと特定された。マウスにおけるTh17細胞への影響が臨界影響(critical effect)として特定された。Th17細胞は細胞の免疫機構において極めて重要であり、自己免疫及び肺の炎症を含む炎症性疾患の発症に関与する。ヒト等価用量で表されるリファレンスポイント(RP)8.2 ng/kg体重/日が臨界影響として特定された。不確実性分析は、他の健康影響に関するベンチマークドース(BMD)の推定下限値がTh17細胞に基づくRPより低い確率は57~73 %であると評価した。
 CEPパネルはこれを考慮し、TDIを確立するために追加の不確実性係数(UF)2が必要であると判断した。RPに対し全体としてUF50を適用し(※訳注3)、0.2 ngBPA/kg体重/日のTDIが確立された。このTDIとEFSAの意見書(2015年)による推定食事性ばく露との比較は、全年齢グループにおける平均及び95パーセンタイルの食事性ばく露がTDIを2~3桁上回ることを示した。ばく露評価における不確実性を考慮しても超過が非常に大きいため、CEPパネルはBPAへの食事性ばく露による健康懸念があると結論した。
(※訳注1)EFSAによる当該科学的意見書は以下のURLから参照可能
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/3978
(※訳注2)ビスフェノールAのハザード評価の手順書は以下のURLから参照可能
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1354
(※訳注3)UF50: トキシコダイナミックスの種差に対する通常のデフォルト係数2.5、トキシコキネティックス及びトキシコダイナミックスにおけるヒトの個体差に対する係数10、及び不確実性分析に基づく追加の係数2、これら3つの係数を乗じた50を全体としての不確実係数(UF)としている。
トキシコキネティックス及びトキシコダイナミックスに関しては以下のURLから参照可能
https://www.fsc.go.jp/yougoshu.html
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6857
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