Q&A詳細

評価案件ID mob20120300001
タイトル 食品中の放射性物質と情報提供について
公表日 2012年11月1日
問い合わせ・意見 今までに経験のなかった食品の放射性物質の諸問題について、正しい教育を消費者にしていただきたい。厚生労働省、農林水産省との絡みもあると思うが、食品安全委員会として、リスクコミュニケーションの観点から検査結果等も含め国民に分かりやすい内容での情報提供(連載シリーズでも)をしてはどうでしょうか。
問い合わせ・意見分類 食品安全委員会活動一般関係
コメント元 食品安全委員会
コメント 食品安全委員会では、昨年3月20日に厚生労働省から諮問を受け、「放射性物質の食品健康影響評価に関するワーキンググループ」を設置し、人体の低線量被ばくに関する疫学データ等を含む最新の科学的な知見をもとに、食品からの追加的な被ばくによる健康への影響について調査審議を行い、同年7月26日の第9回同ワーキンググループにおいて、評価(案)をとりまとめた後、国民の皆様からの御意見・情報の募集を経て、同年10月27日に食品安全委員会において評価書をとりまとめ、厚生労働省に評価結果を通知しました。

食品健康影響評価の結果は、

・ 放射線による影響が見いだされるのは、通常の一般生活において受ける放射線量を除いた生涯における追加の累積の実効線量として、おおよそ100 mSv以上
・ そのうち、小児の期間については、感受性が成人より高い可能性(甲状腺がんや白血病)がある
・ 100 mSv未満の健康影響について言及することは、現在得られている知見からは困難

等としています。

〔参考〕
○放射性物質の食品健康影響評価の状況について
http://www.fsc.go.jp/sonota/emerg/radio_hyoka.html

また、食品安全委員会では、食品中の放射性物質による健康影響や基準値、検査、生産現場での取組などについて理解を深めていただくため、消費者庁、厚生労働省、農林水産省及び地方公共団体との共催で、「食品中の放射性物質対策に関する説明会」を全国各地で開催しています。説明会で用いた資料や議事録は、広く情報提供するためホームページに掲載しています。

○「意見交換会開催結果」
http://www.fsc.go.jp/koukan/dantai_jisseki.html

また、「放射性物質を含む食品による健康影響に関するQ&A」を改訂し、ホームページに公表しています。この中ではBq(ベクレル)やSv(シーベルト)といった放射性物質に関する単位の意味や放射線が人の健康に影響を与える仕組みや発がん影響、生物学的半減期(排泄等により体内の放射性物質が減っていく仕組み)などについて詳しく解説しています。ほかにも、ビジュアル版「食品の安全性に関する用語集」にも放射性物質に関する用語を掲載しているほか、食品安全委員会季刊誌「食品安全」第28号でも食品中の放射性物質の食品健康影響評価について特集しておりますので、こちらも併せて御活用下さい。

○「放射性物質を含む食品による健康影響に関するQ&A」
http://www.fsc.go.jp/sonota/emerg/radio_hyoka_qa.pdf

○「ビジュアル版『食品の安全性に関する用語集』」
http://www.fsc.go.jp/yougoshu/yougoshu.html

○「季刊誌『食品安全』」第28号
http://www.fsc.go.jp/sonota/kikansi/kikansi.html

リスクコミュニケーションについては、引き続き、関係省庁と連携して推進してまいります。

コメント元 厚生労働省
コメント 食品中の放射性物質については、より一層、食品の安全と安心を確保するために長期的な観点から、これまでの暫定規制値に代わる新たな基準値が本年4月1日から施行されました。放射性物質を含む食品からの被ばく線量の上限をこれまでの年間5ミリシーベルトから国際的な指標に沿った1ミリシーベルトに引き下げ、これをもとに食品区分の見直しと食品中の放射性セシウムの基準値を新たに設定したものです。

新たな基準値では、特別な配慮が必要な「飲料水」「牛乳」「乳児用食品」のみを独立した食品区分し、それ以外は個人の食事の内容や好みによる差が出ないように一律で「一般食品」の区分としました。また、一般食品の基準値は、年代別・性別ごとの上限値を算出し、すべての年代の中で最も上限値が厳しくなる値を下回る基準値を設定しています。

昨年9月・11月、東京都、福島県、宮城県で流通している食品を調査し放射性セシウムによる被ばく線量を推計したところ、年間に換算して0.003~0.02ミリシーベルト程度であり、原発事故による食品からの被ばく線量は相当程度小さいものに留まると考えられます。

新基準値の施行と同時に検査のガイドラインもより厳密なものに見直されました。これまでの検査結果を元に、検査対象の食品や地域を重点化し、実施しています。ガイドラインに基づいて都道府県等が行った検査の結果は厚生労働省に報告され、基準値の超過の有無に関わらずホームページで公表しています。

また、厚生労働省においても流通食品の検査を実施する他、社会的関心が高い牛乳や乳児用粉ミルクを製造している企業に対し、自主的な検査と結果の公表について求めています。

国民の皆様に理解を深めていただくために、関係省庁と連携しながら各地で説明会を開催しています。それらの資料はホームページに掲載していますので、ご参考にして下さい。また、新聞、雑誌、ラジオ、インターネット等により幅広い広報により、引き続き国民の皆様に正確な情報を分かりやすく伝えられるようにしてまいります。

〔参考〕
○東日本大震災関連情報【食品中の放射性物質への対応】
http://www.mhlw.go.jp/shinsai_jouhou/shokuhin.html

○放射性物質の検査結果
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001m9tl.html

○食品中の放射性物質対策に関する説明会
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/iken/120420-1.html


添付資料ファイル -