Q&A詳細

評価案件ID mob20111100001
タイトル 放射性物質と食の安全性について
公表日 2012年11月1日
問い合わせ・意見 食品安全委員会が、生涯の累積線量がおおよそ100mSv以上で健康影響が見いだされるとする評価をまとめたことを報道で知った。特に妊産婦や乳幼児は感受性が高いことが考えられることから、引き続き食品安全委員会には食品に含まれる放射性物質の健康影響の評価を続けてほしい。
問い合わせ・意見分類 食品安全委員会活動一般関係
コメント元 食品安全委員会
コメント 食品安全委員会では、厚生労働省から諮問を受け、「放射性物質の食品健康影響評価に関するワーキンググループ」を設置し、人体の低線量被ばくに関する疫学データ等を含む最新の科学的な知見をもとに、食品からの追加的な被ばくによる健康への影響について調査審議を行ってきました。

その結果、昨年7月26日の第9回同ワーキンググループにおいて、評価(案)をとりまとめた後、国民の皆様からの御意見・情報の募集を経て、10月27日に食品安全委員会において評価書をとりまとめ、厚生労働省に評価結果を通知しました。

食品健康影響評価の結果は、

・ 放射線による影響が見いだされるのは、通常の一般生活において受ける放射線量を除いた生涯における追加の累積の実効線量として、おおよそ100 mSv以上
・ そのうち、小児の期間については、感受性が成人より高い可能性(甲状腺がんや白血病)がある
・ 100 mSv未満の健康影響について言及することは、現在得られている知見からは困難

等としています。

〔参考〕
○放射性物質の食品健康影響評価の状況について
http://www.fsc.go.jp/sonota/emerg/radio_hyoka.html

また、食品安全委員会としては、「食品中に含まれる放射性物質の食品健康影響評価」のとりまとめに際し、昨年10月27日に改めて「放射性物質を含む食品による健康影響に関するQ&A」を改訂し、ホームページに公表しています。この中では放射線が人の健康に影響を与える仕組みや発がん影響などについて詳しく解説していますので、どうぞ御活用下さい。

○「放射性物質を含む食品による健康影響に関するQ&A」
http://www.fsc.go.jp/sonota/emerg/radio_hyoka_qa.pdf

以上のほか、ホームページを通じて「放射性セシウムが検出された粉ミルクについて」、「米に関する情報(関係省庁の報道発表資料)について」、「毒キノコによる食中毒防止等について」、「放射性物質を含む稲わらを給与された可能性がある牛の肉の調査結果(関係省庁の報道発表資料)等について」により、放射性物質に係る情報を提供しています。

○「放射性セシウムが検出された粉ミルクについて」
http://www.fsc.go.jp/sonota/emerg/cesium_powdered_milk.pdf

○「米に関する情報(関係省庁の報道発表資料)について」
http://www.fsc.go.jp/sonota/housyasei_kome.pdf

○「毒キノコによる食中毒防止等について」(放射性物質関連情報を含まれています)
http://www.fsc.go.jp/sonota/syokutyudoku_dokukinoko.pdf

○「放射性物質を含む稲わらを給与された可能性がある牛の肉の調査結果(関係省庁の報道発表資料)等について」
http://www.fsc.go.jp/sonota/fukushima_gyunikukensa.pdf

また、ビジュアル版「食品の安全性に関する用語集」にも放射性物質に関する用語を掲載しているほか、食品安全委員会季刊誌「食品安全」第28号でも食品中の放射性物質の食品健康影響評価について特集しておりますので、こちらも併せて御活用下さい。

○「ビジュアル版『食品の安全性に関する用語集』」
http://www.fsc.go.jp/yougoshu/yougoshu.html

○「季刊誌『食品安全』」第28号
http://www.fsc.go.jp/sonota/kikansi/kikansi.html

引き続き、リスクコミュニケーションについては、関係省庁と連携して推進してまいります。

コメント元 厚生労働省
コメント 現在の暫定規制値は、食品からの許容することのできる線量を、放射性セシウムでは、年間5ミリシーベルトとした上で設定しています。

この暫定規制値に適合している食品は、健康への影響はないと一般的に評価され、安全は確保されています。

しかしながら、厚生労働省としては、より一層、食品の安全と安心を確保するため、本年4月1日から、許容できる線量を年間1ミリシーベルトに引き下げた新たな基準値を施行することとしています。新たな基準値では、子どもの摂取量が多い「牛乳」や「乳児用食品」を独立して区分し、厳しい基準値を設定するなど、子どもへの影響に特に配慮して基準を設定しています。

また、都道府県等が実施する食品中の放射性物質のモニタリング検査結果については、暫定規制値を超えなかったものも含め、厚生労働省で集約し、ホームページで公表しているほか、厚生労働省としても、粉ミルクや水産物など市場に流通している食品の買い上げ調査を実施しており、必要に応じ関係自治体に検査の強化をお願いしています。

さらに、実際に流通している食品を購入し検査した結果を踏まえ、平均的な食生活における放射性ヨウ素、セシウム及びカリウムによる年間の被ばく線量を推定したところ、

(1) 自然放射性物質である放射性カリウムの摂取による被ばく線量が0.2mSv程度であるのに対し、
(2) 放射性ヨウ素及びセシウムによる被ばく線量は0.02mSv程度になるとの結果が得られたことから、

原発事故による食品からの被ばく線量は、相当程度小さいものに留まると考えられます。

引き続き、新たな基準値の設定に合わせて、国民への説明会の開催や様々な媒体を活用した積極的な広報により、国民に正確な情報を分かりやすく伝えられるようにしてまいります。

〔参考〕
○東日本大震災関連情報【食品中の放射性物質の検査について】
http://www.mhlw.go.jp/shinsai_jouhou/shokuhin.html
添付資料ファイル -