研究情報詳細

評価案件ID cho99920232205
評価案件 Campylobacter jejuni における未解明な環境適応機構に対する新しいアプローチの確立 (課題番号:JPCAFSC20222205)
資料日付 2024年3月31日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
事業概要 本研究は主要な食中毒起因菌であるCampylobacter jejuniの潜在的なリスク因子と考えられているphase variation(PV)とviable but non-culturable(VBNC)を研究するための新しいアプローチを確立する目的で行われた。C. jejuniはPV によって一つの菌個体から、26万から5,000億という莫大でかつ不安定なバリアントをつくることができる。それらのバリアントは高い病原性やストレス耐性などをもつ可能性があり、食中毒リスクを秘めている。本研究ではゲノム編集によってPVを固定し、網羅的かつ安定なバリアントからなるライブラリーを構築・評価する手法を確立した。また、このライブラリーの中から、病原性や宿主内適応に関連したバリアントをin vitro及びin vivoの選択圧下でスクリーニングし、遺伝学的に解析する実験系を確立した。一方、VBNC状態のC. jejuniは通常の培養法では増殖しないが、ヒトに感染後に増殖する可能性があるため、食品衛生的に問題である。本研究ではC. jejuniを簡易的にVBNC化する手法とVBNCから増殖型への復帰法について検討し、それぞれ高圧処理と発育鶏卵接種を支持する知見を得た。以上の成果は、今までPVやVBNCに隠されてきたC. jejuniの潜在的リスクを明らかにするうえで重要なツールになると考えられる。

(注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。
   本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。
事業名 食品健康影響評価技術研究
実施機関 食品安全委員会
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