研究情報詳細
評価案件ID | cho99920222102 |
評価案件 | 無機ヒ素のヒト体内での健康影響発現メカニズムに関する研究 (研究課題番号JPCAFSC20212102) |
資料日付 | 2023年3月31日 |
分類1 | --未選択-- |
分類2 | --未選択-- |
事業概要 | ヒ素ばく露は世界的な問題であり、我が国でも海産物由来の無機ヒ素摂取による影響が懸念され、種々の食品からの加算摂取によるリスク評価が必要である。しかし、無機ヒ素による毒性や発がん性機序には不明な点が多く、無機ヒ素のヒト体内動態や有害性発症機序を解明し、発がんリスク評価可能な試験系を構築することは喫緊の重要課題である。本研究で、無機ヒ素ばく露したヒト化肝臓マウスの尿中代謝物がヒトの尿中代謝物に類似し、本マウスがヒトの無機ヒ素代謝を反映する有用なモデルであることを示した。また、肝臓及び膀胱における遺伝子発現解析を実施し、ヒ素のヒト肝臓への影響及び尿中代謝物を介した膀胱への特異な影響を明らかにした。不死化ヒト正常膀胱上皮細胞を用いて、各ヒ素化合物の毒性と遺伝子発現変化の特徴を明らかにした。特にヒ素ばく露による共通した遺伝子発現変化として酸化ストレス応答を見出した。また、新たに3次元培養膀胱モデル構築に成功し、ヒト膀胱上皮に近い状態でのヒ素複合ばく露による毒性が評価できると考えられた。さらに、ヒ素誘発ラット膀胱発がん過程において早期からのDNAメチル化異常の寄与を明らかにし、一部はヒト膀胱がんでも認められることを確認した。本研究で得られた研究モデル及び成果はヒトへの外挿性が高く、ヒトに対する無機ヒ素の毒性・発がんリスク評価に直接的に寄与し、国民の健康維持に大いに貢献することが期待される。 (注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。 本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。 |
事業名 | 食品健康影響評価技術研究 |
実施機関 | 食品安全委員会 |
添付資料ファイル |