研究情報詳細

評価案件ID cho99920222004
評価案件 乾燥・貧栄養ストレス下で生残する食中毒細菌のフードチェーンにおける動態解明と食中毒リスク予測手法の開発 (研究課題番号JPCAFSC20202004)
資料日付 2023年3月31日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
事業概要  現実的に自然界で起こりうる食中毒細菌の汚染状況を反映した食中毒リスク評価を可能とすることを最終目標として、種々の要素の影響を定量的に明らかにした。食中毒リスクに影響を及ぼす要因の一つである交差汚染における細菌の移行現象を定量評価する数理モデルを構築した。これにより、食品の種類によらず、食品の含水率のみで交差汚染(付着、切断過程)における細菌数の移行率の推定を可能とした。さらに、乾燥ストレスを経て、交差汚染によって付着した病原菌の増殖あるいは死滅挙動を検討した結果、菌種によらず、実験的に直接細菌を食品に付着させた場合と交差汚染によって付着した場合とで、その後の増殖挙動および死滅挙動に有意な差が認められないことを明らかにした。そして、細菌の増殖/死滅予測モデルにおいてバラつきを適切に表現するとともに、その変動性と不確実性を分離して推定するためのベイズ推定に基づく解析手法を開発した。最終的に、上述の研究成果を統合して、日本におけるレタス喫食による食中毒リスクを評価し、交差汚染が大きな影響を及ぼすことを示し、食中毒予防における、交差汚染予防の重要性を定量的に示した。
 以上、本研究では定量的微生物リスク評価において不可欠な要素を定量的に記述推定する手法を構築して、それらを統合することでより現実に即したリスク評価を実施可能とした。今後の微生物リスク評価の基礎的な枠組みを提示することができた。

(注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。
   本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。
事業名 食品健康影響評価技術研究
実施機関 食品安全委員会
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