研究情報詳細

評価案件ID cho99920212006
評価案件 In silico手法の導入による食品関連化学物質の肝毒性予測の精緻化に関する事例研究 (研究課題番号JPCAFSC20202006)
資料日付 2022年3月31日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
事業概要 本研究の目的は、食品関連物質のリスク評価を支援するin silico手法の有用性を明示することである。まず、既存の肝毒性予測ツールを評価し、食品関連物質のデータを用いて予測精度を改善する方法を検討した。次いでヒトで肝毒性の懸念がある物質を対象に、生理学薬物動態(PBPK)モデル、肝毒性予測モデル、代謝予測モデルを活用して、ヒト肝毒性リスクを評価する事例研究を実施した。
肝毒性の予測精度向上に関しては、物性、体内動態、作用機序を考慮に入れることで、多角的に肝毒性の懸念がある物質をスクリーニングできることを検証した。肝毒性予測の事例研究では、ヒトPBPKモデル、ヒト肝障害スコアモデル、基質と酵素の相互作用に基づく代謝予測モデル、機序と関連するin silico/in vitro/in vivoのデータを統合するアプローチを適用した結果、食品関連物質のより精緻なヒト肝毒性評価を提示できた。これらの手法については、他の食品成分への適用事例を増やし、有効性を裏付けることができれば、ヒトにおける肝毒性の評価を支援する有効な手法となりうる。
以上の結果は、食品安全委員会における食品関連物質のリスク評価において、将来的にはin silico手法がヒトの毒性に関する有用な情報を専門家に提供する手段のひとつとなる可能性を示したものである。

(注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。
   本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。
事業名 食品健康影響評価技術研究
実施機関 食品安全委員会
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