研究情報詳細

評価案件ID cho99920212005
評価案件 食肉由来耐性菌の全ゲノムシーケンスを用いた薬剤耐性特性解析に関する研究 (研究課題番号JPCAFSC20202005)
資料日付 2022年3月31日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
事業概要 本研究は、国内の市販食肉および家畜から分離した薬剤耐性菌について、全ゲノムシーケンサーによるデータを用いて、薬剤耐性遺伝子の網羅的解析、多剤耐性化に寄与するプラスミドや転位因子の探索、耐性菌や薬剤耐性プラスミドの系統的解析等を行うことを目的として実施した。令和2~3年に、市販食肉471試料、家畜375試料をサンプリングし、ESBL産生腸内細菌目細菌やコリスチン耐性大腸菌等を標的として分離培養を行い、625株(食肉 508、家畜 117)の菌株を分離した。これらの株に過去に分離した菌株を加え解析を行い、菌種同定・薬剤感受性試験・薬剤耐性遺伝子の網羅的検索・系統解析等の結果を得た。
鶏肉及び鶏試料から高頻度に検出された第3世代セファロスポリン耐性大腸菌は、blaCTX-M-2
,14
,55
,15を始めとするESBL遺伝子、blaCMY-2等のAmpC遺伝子を保有し、 食肉と家畜の間で相互に関連した系統が多いことが示唆された。また、これらの薬剤耐性遺伝子はプラスミド上に存在していることが多いとされてきたが、今回の研究では染色体上にコードされているものが多く見つかった。一方、blaCTX-M-55やコリスチン耐性遺伝子であるmcr-1.1は主にプラスミド上に存在しており、これらはプラスミドを介した耐性遺伝子拡散、また多剤耐性化のリスクとなりうると考えられた。

(注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。
   本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。
事業名 食品健康影響評価技術研究
実施機関 食品安全委員会
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