研究情報詳細

評価案件ID cho99920211904
評価案件 アクリルアミドばく露による発がんリスク評価~大規模コホート研究保存検体を用いたコホート内症例対照研究による検討 (研究課題番号1904)
資料日付 2022年3月31日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
事業概要 生体指標を用いたアクリルアミド(AA)ばく露量とがん罹患リスクとの関連の検討を目的に実施した。まず、陰膳法サンプルの測定値を伴う検体を用いて基礎的検討を行い、欧米の先行研究にも用いられているAAおよびその代謝物であるグリシドアミド(GA)のヘモグロビン付加体(HbAA、HbGA)を長期的かつ累積的なばく露指標として用いることについて検証を行ったうえで、コホート集団の一部対象者の保存血液を測定し、生体指標の個人間及び個人内変動を検討した。その結果、食事摂取量では個人内変動が大きく、HbGAでは個人間変動が大きいという結果となった。食品由来の摂取によるばく露の状況に関わらず、AAの代謝産物の各個人内での変動は小さいことから、AAへのばく露の個人差は、食事由来のばく露よりむしろ代謝を反映するということが明らかになった。さらに生体指標を比較基準として、食事調査から推定した摂取量の妥当性を検証した。これらの基礎的な検討に基づき、AAのばく露が乳がん罹患に及ぼす影響を、コホート内症例対照研究の方法を用いて検討した。その結果、HbAAに対するHbGAの比と乳がん罹患率との間に正の関連が認められ、日本人においてもAAのばく露が、乳がんのリスクに影響する可能性が否定できないことが示唆された。血中AAのばく露は、食事由来摂取量のみならず、環境要因も影響していること、代謝の個人差があることから、結果の解釈には注意が必要である。

(注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。
   本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。
事業名 食品健康影響評価技術研究
実施機関 食品安全委員会
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