研究情報詳細
評価案件ID | cho99920201907 |
評価案件 | 二値反応の用量反応データを対象としたベンチマークドーズ計算ソフトウェアの開発研究(研究課題番号1907) |
資料日付 | 2021年3月31日 |
分類1 | --未選択-- |
分類2 | --未選択-- |
事業概要 | 毒性学的リスク評価において、最近、統計モデルを用いるベンチマークドーズ(BMD)法が頻用される傾向がある。BMD法では複数種類の統計モデルを観察データに適合し、得られた用量反応曲線から、有害影響の発現率等の反応量に関してバックグラウンドに比して一定の変化をもたらす用量(BMD)の信頼区間の下限値であるBMDLを算出する。BMDLは無毒性量に相当することが知られる。これまでに、日本では適合度のよいモデル3つの平均化をすると良いことが知られてきた。 本研究の目的は、日本独自の二値データに対するBMD計算ソフトウェアを実装し、これまでのガイドライン※に従った行政機関における評価を可能にすることをはじめとして、同手法の実施が国内外においてより身近になるよう、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を備えた日本語版及び英語版ソフトを開発研究することである。 目的を達成するために、以下の6つの個別課題を設け、それぞれの個別課題項目に関する検討を行った。行政ニーズを汲み取るためにフィードバックを得つつ開発を進めた。 ① ソフトウェア仕様の決定、 ② 適合度の良いモデルだけに対する平均化機能をもつBMD計算GUIソフトウェアの実装 ③ バグ(プログラミング上の誤り)のチェック・修正と実装関係者の間でのデモンストレーションの実施 ④ 開発ソフトウェアの日本語版アップデート・英語環境の適応 ⑤ GUIソフトウェアの実装とパフォーマンス評価 ⑥ 実装関係者の間でのデモンストレーションと既存ソフトウェアとの系統的比較検討 開発されたソフトウェアは2値反応毒性データ評価において、科学的妥当性を担保したモデル選択および平均化を実装可能にしており、また評価ロジックに関してもガイドラインに準じてデータ分析を行うことが可能である。本ソフトウェアを基盤として、今後、疫学データの適用に関して、わが国独自のソフトウェアの開発は、行政機関における評価のみならず、BMD法の実施が広く国内外で行われることにつながると期待される。 ※食品健康影響評価におけるベンチマークドーズ法の活用に関する指針 [動物試験で得られた用量反応データへの適用] (2019年10月食品安全委員会決定) (注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。 本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。 |
事業名 | 食品健康影響評価技術研究 |
実施機関 | 食品安全委員会 |
添付資料ファイル |