研究情報詳細
評価案件ID | cho99920191806 |
評価案件 | 国内で多発するカンピロバクター食中毒の定量的リスク分析に関する研究 |
資料日付 | 2020年3月31日 |
分類1 | --未選択-- |
分類2 | --未選択-- |
事業概要 | 本研究は鶏肉中のカンピロバクター汚染リスクを定量的に評価する上で必要となる基礎知見の集積を目的とした。 長期飼育後食用に出荷される採卵鶏への感染実験と長期飼育を行い、盲腸内菌数動態を解析した。本菌は感染後4-8週迄は定着したが、その後10か月時点迄減少した。盲腸構成菌叢も同時系列で変動し、両者の関連性が示唆された。 食鳥処理工程での本菌動態を検討し、1)成鶏(採卵鶏)を原料とし脱羽・冷却、表面焼烙後、生食用食鳥肉を加工する施設では、焼烙工程後に顕著な菌数低減を認め、制御法としての有用性が示された。2)肉用若鳥を原料とする中抜方式の施設では鶏保菌数も高く、製品からも一定数検出された。但し冷却工程後に菌数低減を認め、同工程管理向上が汚染低減に資すると目された。 健康被害実態・食品寄与率に関する検討を行い、被害実態推定値を求めた上で、鶏肉が本菌食中毒に占める割合は過去に比べ上昇する実態を確認した。蛍光イムノクロマト法を作成し約103個以上のC. jejuniを検出できる可能性を示した。 計289検体の本菌食中毒患者検体を培養及び定量リアルタイムPCRに供し、両法成績比較からPCR法成績を基に推定菌数を求める換算式を作成した。原因食品確保が困難な場合が多い本食中毒事例への適用は食品中菌数推定に資すると考えられた。 以上、本研究の成果は鶏肉中のカンピロバクター汚染に係る定量的リスク評価を行う際の知見としての活用が期待される。 (注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。 本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。 |
事業名 | 食品健康影響評価技術研究 |
実施機関 | 食品安全委員会 |
添付資料ファイル |