研究情報詳細

評価案件ID cho99920191804
評価案件 ベンチマークドース手法の健康影響評価における適用条件の検討
資料日付 2020年3月31日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
事業概要  近年の化学物質の定量的な毒性評価においてベンチマークドース(BMD)法の適用事例が増加する方向にあるが、BMDL設定のための数理モデル選択基準の指針は、国際的評価機関によって異なっている状況である。そこで、本研究では、より適切なBMD法の適用指針やモデル選択基準を検討するために、系統的な文献レビューを行うと共に、動物実験を用いた二値データに関して統計数理学的な検証や実験データを人為的に生成し多数のBMD計算を行うことによるシミュレーション技術を用いた検討を行った。
 その結果、動物実験を用いた二値データに関しては、BMDL10がNOAELとなる蓋然性の高いことやモデル選択の際のモデル除外基準やパラメータ制限の使用は、モデル選択の性能に影響を与えないことも示され、モデル選択基準として最小のAIC値を持つ3つのモデルを平均化するモデル(MA-3法)が推奨できるBMDL算出手法であること示した。病理学的データへのBMD法の適用については、用量反応解析のために毒性学的に有意となるグレードや画像データ等の基準設定が重要であることを確認できた。連続反応データの評価を含む傾向が高い疫学的データへのBMD法の適用を考慮する場合、定量化された結果が全集団に適用可能であるかどうかのデータの代表性の確保、交絡因子の排除、カットオフ値の毒性学的意義付け等に留意すべきであることが示された。

(注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。
   本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。
事業名 食品健康影響評価技術研究
実施機関 食品安全委員会
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