研究情報詳細

評価案件ID cho99920181704
評価案件 無機ヒ素ばく露評価およびその手法に関する研究
資料日付 2019年3月31日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
事業概要 "無機ヒ素(iAs)はヒトに発がん性のあるメタロイドであるが、いくつかの基本的な情報が不足しているために、わが国においてリスク評価は完遂していない。リスク評価には量‐影響関係を確立する必要があり、そのためには定量的なばく露評価をともなう疫学調査が必須である。陰膳法は確立されたばく露評価手法であるが、調査にコストや手間がかかるので、大規模疫学調査に適用することは困難である。 
本研究では、バイオマーカー法によるばく露評価の蓋然性を評価するとともに、疫学調査への適用を前提とした、iAsばくろ評価のための簡便な調査票の開発を目的とした。陰膳とスポット尿サンプルを150人の対象者から入手し、iAs及びメチルアルソン酸(MMA)(尿のみ)濃度をLC-ICPMS法で測定した。iAs一日摂取量及び尿中iAs+MMA濃度の中央値は、それぞれ 0.387 µg/kg/day、 5.58 ng As/mL (比重補正)あるは4.30 ng As/mg creatinine(クレアチニン補正)であった。日本人のiAs摂取源である米飯とひじきの煮物の摂取量を聞く簡単な調査票を開発し、150人中の71人に回答してもらった。調査票の回答と、コメとひじきのiAs含有量に関する農林水産省のデータを用いて、iAs一日摂取量を推定した。陰膳データに基づくiAs一日摂取量と、尿中iAs+MMA濃度、及び陰膳データと調査票から推定した一日摂取量との間には正の有意な相関がみられ、バイオマーカー法、調査票とも日本人のiAsばく露評価に適用可能であることがわかった。バイオマーカー法では、摂取量と尿中濃度の関係に多少の乱れがみられ、対象者によるiAs代謝のばらつきが原因であると考えられた。調査票による方法では、米飯とひじきの摂取量質問法を改善したり、ひじきのiAs含有量情報の蓄積によってよりよい推定が可能であると考えた。


(注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。
   本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。"
事業名 食品健康影響評価技術研究
実施機関 食品産全委員会
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