研究情報詳細
評価案件ID | cho99920161506 |
評価案件 | 食品ごとの「IgE抗体の作らせやすさ」を測定する系の樹立に関する研究(研究課題番号1506) |
資料日付 | 2017年3月31日 |
分類1 | --未選択-- |
分類2 | --未選択-- |
事業概要 | 世界中で小児の最も頻度の高い食物アレルギーを惹起する抗原は卵、牛乳、小麦等であるが、なぜこれらの食品がアレルギーを誘導しやすいのかは全く不明である。本研究では、抗原性を規定する因子を明らかにすると共に、IgE抗体の作りやすさを測定する系の確立を目的とする。 マクロファージ細胞株をin vitroで抗原提示細胞様に分化誘導した細胞を用いて、各種サイトカイン刺激によって誘導される分子群を検討したところ、サイトカイン(TNF-α、IL-4、GM-CSFなど)は樹状細胞の活性化マーカー分子群(CD11c、HLA-DR、CD86)の発現を誘導したが、他のサイトカインは抗原提示細胞内のプロテアーゼの活性を低下させた。一方、食品自体では樹状細胞の遺伝子発現には大きな影響は認めなかった。マウスに経皮的に食品をばく露させる経皮感作モデルを用いて検討したところ、タンパク分解酵素に抵抗性のある食品ほどアレルゲン性が高いことが明らかとなった。また、一部の食品添加物には抗原に対するIgE抗体の産生を増強する活性があることが明らかとなった。さらに、食物アレルギーの負荷試験による確定症例を対象として検討したところ、約90%の患児でアトピー性皮膚炎や湿疹の既往があることが明らかとなった。また、アナフィラキシー症例ではIgEが比較的低い症例が存在することから、アナフィラキシーの発症には抗原特異的なIgE抗体価だけでは説明の出来ない因子が存在することが示唆された。 (注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。 本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。 |
事業名 | 食品健康影響評価技術研究 |
実施機関 | 食品安全委員会 |
添付資料ファイル |