研究情報詳細
評価案件ID | cho99920161504 |
評価案件 | 家畜とヒトとの間における薬剤耐性菌の循環に関する分子疫学および時空間比較ゲノム解析(研究課題番号1504) |
資料日付 | 2017年3月31日 |
分類1 | --未選択-- |
分類2 | --未選択-- |
事業概要 | 家畜とヒトとの間の薬剤耐性遺伝子の伝達様式を解明するために、本研究ではゲノム解析で新たに得られた100を超えるプラスミドゲノムデータとともに公開されているゲノムデータベースに登録されたゲノム情報とを用いて、時空間ゲノム比較解析を行った。 その結果、CTX-M-8の遺伝子を仲介するIncI1プラスミドは、最初にニワトリで出現し、小売の鶏肉を介してヒトに伝達された可能性が示唆された。2016年に日本の長野県で購入した鶏肉検体から検出されたコリスチン耐性大腸菌に保持されたmcr-1媒介性IncI2プラスミドは、かなり以前に日本国外で最初に出現した可能性があるプラスミドが日本への侵入後にゲノム構造が徐々に変化し、日本国内に広がりつつある可能性が示唆された。 様々な抗菌剤耐性遺伝子を媒介するプラスミドのゲノム構造は非常に多様化しており、複雑になってきているため、抗菌剤の耐性遺伝子と家畜およびヒトから回収されたプラスミドの関連性に関するより効果的な遺伝子解析のために、新しい解析アルゴリズムを作成する必要がある。いずれにせよ、我々は、最初、南アメリカで鶏において出現し、現在、鶏肉を通して世界中に広がりつつあると考えられるCTX-M-8遺伝子を担うIncI1プラスミドの遺伝的関連性を明らかにすることができた。 (注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。 本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。 |
事業名 | 食品健康影響評価技術研究 |
実施機関 | 食品安全委員会 |
添付資料ファイル |