研究情報詳細

評価案件ID cho99920141305
評価案件 食用動物由来薬剤耐性菌の定量的食品健康影響評価モデルの確立(研究課題番号1305)
資料日付 2015年3月31日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
事業概要  本研究では、国際的にも例のない食用動物由来耐性菌に関する定量的リスク評価ガイドライン設定を視野に入れた定量的食品健康影響評価モデルを確立することを目的とした。定量的リスク評価モデルの確立に向けて、対象薬剤をフルオロキノロン剤とし、農場及び生産物の食中毒菌による汚染が深刻な肉用鶏、そして食中毒の年間発生例が極めて多いカンピロバクターを対象菌として検討した。定量的評価モデルを構築するに当たり、公表データがなくリスク評価に必要なデータを集積する実験班と、公表論文から得たデータと実験班から提供されたデータを使用して定量的食品健康影響モデルを確立するリスク評価班が有機的に連携を持ちながら研究目的の完遂を目指した。
 公表データや実験班で得られたデータをベースに、新たに発生段階部分も確率論的定量的リスク評価モデルを構築した。モデルによる試算の結果、カンピロバクター感染鶏に占めるフルオロキノロン剤感染鶏の割合を、耐性菌の耐性機構別に推測することができた。ばく露評価については、平成20~22 年度に食品安全委員会の研究事業「定量的リスク評価の有効な実践と活用のための数理解析技術の開発に関する研究(主任研究者:春日文子)」において、鶏肉調理におけるカンピロバクターの交差汚染の定性的・定量的評価が実施されているため、この研究で用いられているばく露段階のデータを収集・整理し、データ更新が必要なものについては最新のデータを収集した。ばく露評価については、感染性胃腸炎罹患患者からアンケート調査を実施したものの、研究期間内に耐性菌感染による治療期間の延長や症状の重篤度などの情報が十分に得られなかった。
 以上のことから、確率論的定量的リスク評価モデルの構築を通して得られた知見を踏まえて、薬剤耐性菌によるヒトへの健康影響に関する確率論的リスク評価指針骨子素案を作成した。

(注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。
   本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。
事業名 食品健康影響評価技術研究
実施機関 食品安全委員会
添付資料ファイル