研究情報詳細
評価案件ID | cho99920121106 |
評価案件 | 食品中のアルミニウムの神経発達系への影響など、新生児発育に対するリスク評価研究(研究課題番号1106) |
資料日付 | 2013年3月25日 |
分類1 | --未選択-- |
分類2 | --未選択-- |
事業概要 | 食用色素・ベーキングパウダー中に食品添加物として、アルミニウムが含まれていることが知られている。これまでに食品に含有されるアルミニウムが発達神経系に影響を与える可能性が示唆されているが、その生体への作用機序が明らかでないことから、十分な検討がなされていない。本研究では、胎児期に暴露されたアルミニウムが神経発達に与える影響と日本人のアルミニウム暴露量を調べることを目的とした。 生体への作用機序を明らかにする基礎データを得るために動物実験を実施した。妊娠マウスにアルミニウムを負荷させ、胎児の発達、出産、仔の成長にどのような影響が出るかを観察した。アルミニウム暴露群と陰性対照群の平均出産匹数の違いはなく、アルミニウム暴露は出産に影響は与えないと考えられた。生後18日以降から仔マウスの体重を測定したところ、アルミニウム暴露群で体重の減少が認められた。生後41日のマウスから脳を採取し、免疫組織染色にてアルミニウム暴露が海馬の発達にどのような影響を与えているかを検討した。胎児期におけるアルミニウム暴露は、海馬の発達には大きな影響を与えないことが分かった。さらに、複数の行動テストから構成される「網羅的行動テストバッテリー」を用いて、マウスの行動解析を実施した。その結果、アルミニウム暴露による行動異常が観察された。 アルミニウム暴露量を調べるために、高周波誘導結合プラズマ質量分析計(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometer: ICP-MS)を用いて血中アルミニウムを分析する方法を開発し、日本人の血中アルミニウム濃度を測定した。 これらの結果から得られた知見は、今後のアルミニウムのリスク評価につながることが期待される。 (注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。 本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。 |
事業名 | 食品健康影響評価技術研究 |
実施機関 | 食品安全委員会 |
添付資料ファイル |