研究情報詳細
評価案件ID | cho99920110905 |
評価案件 | メラミンによる腎不全の発生機序の解明と健康影響評価手法の確立(研究課題番号0905) |
資料日付 | 2012年3月30日 |
分類1 | --未選択-- |
分類2 | --未選択-- |
事業概要 | 2008年に中国でメラミン混入食品により、腎結石と腎不全の発症に伴い乳幼児が死亡する事件が発生した。それをうけて、本研究では、その発症機序の解明と対策の確立を、メラミン結石動物を作成して調べた。 先ず始めに、メラミン結晶はメラミン単独投与では形成されず、類似化合物であるシアヌル酸と尿中で反応することによりはじめて形成されることが判った。 そこでメラミンとシアヌル酸との混合投与による14日目までの評価では、12mg/体重kg/day以上を投与すると腎結晶の形成を認めたが、8mg/kg/day以下の群では明らかな健康被害は見られなかった。組織学的検討からは、腎不全の形成機序はメラミンが腎尿細管管腔内で濃縮される段階で析出し、腎尿細管の閉塞により腎障害を引き起こすともの考えられた。雌雄差については、腎の瘢痕形成は、雄の方が雌よりも著しくみられ、腎結石の形成量についても雄は雌の約1.5倍の結石形成を認めた。 また、投与した実験動物の週齢による比較では、6、10、26週齢と、週齢と共に結石形成が多かった。約1年にわたる経過観察では、メラミン投与中止後28日目にも腎組織の瘢痕形成は残存していたが、メラミンによる健康被害リスクが発生しても、摂取中止を行うことで、その健康被害が改善する傾向にあり、約半年間で消失することが判明した。 (注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。 本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。 |
事業名 | 食品健康影響評価技術研究 |
実施機関 | 食品安全委員会 |
添付資料ファイル |