研究情報詳細
評価案件ID | cho99920110904 |
評価案件 | 日本沿岸海域における熱帯・亜熱帯性魚毒による食中毒発生リスクの評価法の開発(研究課題番号0904) |
資料日付 | 2012年3月30日 |
分類1 | --未選択-- |
分類2 | --未選択-- |
事業概要 | 近年、わが国においては地球温暖化による沿岸海域の海水温上昇に伴い、熱帯・亜熱帯性魚毒による食中毒の発生リスクの上昇が懸念されている。これらの魚毒性中毒は、微細藻類由来の神経毒が食物連鎖を通じて魚類に蓄積することにより起こるとされているが、その原因毒、さらには毒を生産する原因生物に関する情報が不足しているため、本中毒発生のリスク評価が行えない状況にある。 そこで本研究では、本邦沿岸海域における代表的な熱帯・亜熱帯性魚毒であるパリトキシン(PTX)様中毒とシガテラ中毒の発生リスクの評価法を開発しようとした。 まず、両中毒の原因藻とされているオストレオプシス属藻類ならびにガンビエールディスカス属藻類の本邦における分布について検討したところ、前者は4種が、後者は5種がそれぞれ分布していることが判明した。これらのうち、少なくとも6種はマウス毒性を示した。 さらに、これらの有毒種に特異的なリアルタイムPCR法による検出・定量法の新規開発に成功した。また、LC-MS/MSを用いることにより、両中毒の原因毒とされるPTX類ならびにCTX類の高感度かつ高精度な同定・定量法をそれぞれ新規開発した。本手法により国内産オストレオプシス株を分析した結果、主要毒はPTXの1種であり新規なオバトキシンaの異性体と考えられる42-hydroxy-16 ,44 ,70-trideoxypalytoxin(オバトキシンaAC)と推定された。 一方、国内産ガンビエールディスカス株についてはCTX類が検出されなかった。また、本法を用いてアオブダイ中毒検体を分析したが、PTX類縁体は検出されなかった。 (注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。 本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。 |
事業名 | 食品健康影響評価技術研究 |
実施機関 | 食品安全委員会 |
添付資料ファイル |