研究情報詳細

評価案件ID cho99920090801
評価案件 日本人小児の鉛曝露とその健康リスクに関する調査(研究課題番号0801)
資料日付 2011年3月31日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
事業概要 事業概要 "[主任研究者]所属:東京大学大学院新領域創成科学研究科/氏名:吉永 淳
 わが国には小児の血中鉛濃度に関するデータ、日本人小児の鉛摂取量や摂取源に関する情報がほとんどなく、小児に対する鉛のリスク評価およびリスク管理の科学的根拠が決定的に不足している。本研究ではこうした小児の鉛曝露に関するもっとも基本的なデータの欠落を埋めることを第一の目的とし、日本各地(東京・静岡・大阪)の小児科医の協力を得て3年間で300人規模の小児(1~15歳)を対象とした血中鉛濃度の測定を行い、日本人小児の血中鉛濃度の参照値を得ることとした。
日本人一般小児の血液を352検体収集し、鉛濃度を測定した結果、血中鉛濃度幾何平均値は1.07 μg/dLと、世界的にみても最も低い数値となった。またその分布から推定される日本人小児の鉛健康リスク(認知機能の低下)は無視できるほど小さいものであった。小児の血中鉛濃度の変動要因としては年齢、地理的要因、受動喫煙であった。
低い血中鉛濃度という結果は、採血児のうち11名について求めた非常に低い鉛曝露量推定値(2.4~13 μg/日、平均5.4 μg/日)からみても矛盾がなかった。この対象者について、環境試料と血液の鉛精密同位体比測定値から推定した鉛摂取源として、食物、ハウスダストと土壌がそれぞれ同程度の寄与をもつものと推定された。

(注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。
   本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。
事業名 食品健康影響評価技術研究
実施機関 食品安全委員会
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