研究情報詳細

評価案件ID cho99920080601
評価案件 メチル水銀とダイオキシンの複合曝露による次世代の高次脳機能のリスク評価手法(研究課題番号0601)
資料日付 2009年3月31日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
事業概要 〔主任研究者〕所属:東京大学医学部/氏名:遠山 千春
本研究では、食品安全の観点からメチル水銀とダイオキシンを代表的物質として取り上げ、複合曝露による次世代への高次脳機能に及ぼす影響について、そのリスクを検出・評価するための新たな試験法の開発を行った。第一に、我々が構築したラットにおける対連合学習試験法を用いて、胎盤・母乳経由でダイオキシンに曝露したラットは成熟後に対連合学習機能が阻害されることが判明した。第二に、レーザー・マイクロダイゼクションにより、ダイオキシン単独曝露、メチル水銀単独曝露動物の海馬錐体細胞層では、記憶機能に重要な分子であるグルタミン酸受容体もしくはグルタミン酸トランスポーター遺伝子の遺伝子発現レベルが半分以下に低下していることが判明した。第三に、ダイオキシンとメチル水銀の複合曝露によって、対連合学習機能が阻害されただけではなく、情動行動異常が顕れること、上記の遺伝子双方の発現が低下していることがわかった。

〔食品安全委員会の本研究課題に対する事後評価・総合コメント〕
目標以上の成果が得られた。メチル水銀とダイオキシンの複合影響に着目した新しい評価手法が開発された。食品健康影響評価に活用が期待される。

(注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。
   本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。
事業名 食品健康影響評価技術研究
実施機関 食品安全委員会
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