Q&A詳細

評価案件ID mob07018000061
タイトル 食中毒菌汚染実態調査の結果について
公表日 2011年1月14日
問い合わせ・意見 厚生労働省ホームページに「平成21年度食品の食中毒菌汚染実態調査の結果について」が掲載された。食中毒の未然防止対策を図るため、流通食品の細菌汚染実態を把握することを目的に、野菜、肉等を対象に大腸菌等の汚染の有無を調査したものだ。食中毒の発症は食べた食品中の菌種と総菌数に左右される。汚染濃度を把握し、リスク評価していただきたい。また、食中毒菌汚染実態調査の結果として、鶏肉処理に問題があるなら関連法規の検討を含めた衛生管理システムの改善をご検討いただきたい。
問い合わせ・意見分類 食品衛生関係
コメント元 食品安全委員会
コメント (平成22年10月分)
食品安全委員会は、平成16年12月に、食中毒原因微生物の食品健康影響評価を自らの判断により行う食品健康影響評価案件として決定し、

①食中毒原因微生物の評価指針の取りまとめ、
②評価対象とすべき微生物の優先順位の検討及び
③個別の微生物の食品健康影響評価の実施を行うことについて微生物・ウイルス専門調査会に付託しました。

鶏肉中のカンピロバクター・ジェジュニ/コリについては、平成21年6月に、食品健康影響評価結果をとりまとめ、リスク管理機関である厚生労働省及び農林水産省に対して、当該評価結果を踏まえて適切なリスク管理措置を検討されるよう通知しました。

また、牛肉を主とする食肉中の腸管出血性大腸菌については、「腸管出血性大腸菌感染症は暫増傾向にあり、牛肉及び牛内臓肉を生又は加熱不十分な状態で喫食する事例で食中毒が多く、重症例及び死亡例もみられることから、速やかなリスク評価及びリスクコミュニケーションが必要な案件と考える。現在実施中の牛内臓肉の汚染率・汚染濃度等に関する研究結果等によってデータ収集等が行われれば、一定の定量的リスク評価が実施可能と考える。」と結果が報告されたことから、引き続きデータ収集等に努めることとしました。

食品安全委員会では、今後とも、食中毒原因微生物に係る新たな知見・データの収集と分かりやすい情報提供に努めてまいります。

なお、食中毒症状と菌・ウイルスの数の関係などについては、食品安全委員会が主催しているサイエンスカフェ第6話において使用した資料に掲載されていますので、御覧ください。

〔参考〕
○食品安全委員会
「微生物・ウイルス評価書 鶏肉中のカンピロバクター・ジェジュニ/コリ」
http://www.fsc.go.jp/hyouka/hy/hy-hyo2-campylobacter_k_n.pdf

「食品健康影響評価のためのリスクプロファイル及び今後の課題~牛肉を主とする食肉中の腸管出血性大腸菌~(改訂版)」
 http://www.fsc.go.jp/sonota/risk_profile/risk_ushi_o157.pdf

「食の安全を科学する「サイエンスカフェ」第6話」
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20100909ik1
コメント元 厚生労働省
コメント (平成22年10月分)
食中毒菌汚染実態調査の結果、食品衛生法に違反していることが判明した場合には、各都道府県等の保健所が食品等事業者や施設に対し、食品の取扱いに係る衛生指導等を行うとともに、遡り調査等を実施して汚染源を究明するなど必要な措置を講じています。

また、鶏肉処理については、食中毒菌による鶏肉汚染の防止等の観点から、食鳥処理場の構造設備基準や衛生的管理の基準が定められた「食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律」が1991年に施行されました。また、1992年には、「食鳥処理場におけるHACCP方式による衛生管理指針」を定め、食鳥処理段階における微生物汚染の防止を図っています。さらに2006年3月には、さらなる衛生水準の向上のため、カンピロバクター等の微生物による汚染防止対策を盛り込んだ「一般的な食鳥処理場に於ける衛生管理総括表」を作成し、食鳥処理業者に対する周知及び指導を行っています。

しかし、今日の食肉又は食鳥処理の技術ではこれらの食中毒菌を100%除去することは困難とされています。したがって、食中毒予防の観点から若齢者、高齢者のほか抵抗力の弱い者については、生肉等を食べないよう、食べさせないようにする必要があります。

なお、通常の加熱調理(中心部を75℃以上で1分間以上加熱)を行えばカンピロバクターなどの食中毒菌は死滅するため、鶏肉を食べることによる感染の危険性はありません。 

〔参考〕
○厚生労働省
「カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)」
http://www.mhlw.go.jp/qa/syokuhin/campylo/index.html#q4

添付資料ファイル