Q&A詳細

評価案件ID mob07009000006
タイトル 魚介類に含有されているメチル水銀について
公表日 2010年10月25日
問い合わせ・意見 メチル水銀は、食物連鎖により濃縮されて大型の魚介類等に蓄積される。特に、それを食した妊婦の胎盤等を通して胎児へ移行しやすいときく。一層、研究を進めてわかりやすい情報を提供してほしい。
問い合わせ・意見分類 化学物質・汚染物質関係
コメント元 食品安全委員会
コメント (平成22年8月分)
魚介類のメチル水銀の含有量は一般に低いので健康に害を及ぼすものではありませんが、一部の魚介類については、食物連鎖を通じた濃縮を経てメチル水銀濃度が比較的高いものも見受けられます。
食品安全委員会がとりまとめた「魚介類等に含まれるメチル水銀についての食品健康影響評価」では、胎児をハイリスクグループとし、妊婦が1週間に摂取しても胎児に影響を及ぼさない量(耐容週間摂取量)を、妊婦の体重1kg当たり水銀として2.0μgとしました。
食品安全委員会のホームページでは、メチル水銀の摂取量を耐容週間摂取量以下に抑えた1週間の魚料理の献立も紹介していますので、是非参考にしてください。
魚介類には、良質なタンパク質や、生活習慣病の予防、脳の発育に効果があると言われているEPA、DHA等の不飽和脂肪酸を多く含み、また、カルシウムを始めとする各種の微量栄養素の摂取源として健康的な食生活に不可欠な食品です。メチル水銀濃度が高い魚ばかりを多量に食べることを避け、魚食のメリットを活かしていただけるよう情報発信してください。
また、メチル水銀についての理解のため、DVD「気になるメチル水銀~妊娠中の魚の食べ方~」を作成していますので、是非、御覧ください。
また、メチル水銀に関連する施策の実施状況についても、御報告をお願いします。
〔参考〕
○食品安全委員会
「ママ。メチル水銀って知ってる?~おなかの赤ちゃんからのメッセージ~」
http://www.fsc.go.jp/koukan/risk-gunma210526/risk-gunma210526-lecture.pdf
「お母さんになるあなたへ(魚介類に含まれるメチル水銀について)」
http://www.fsc.go.jp/sonota/maternity/maternity.pdf
「映像配信」
http://www.fsc.go.jp/osirase/dvd-ichiran.html
コメント元 厚生労働省
コメント (平成22年8月分)
厚生労働省では、平成17年11月2日に食品安全委員会による食品健康影響評価の結果を踏まえ「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」の公表を行いました。
本年6月には、平成17年度以降に各地方公共団体において実施された「魚介類に含まれる水銀の調査」の結果を踏まえ、本注意事項の見直し(対象魚介類の追加)を行ったところです。
食品健康影響評価においては、特に水銀の悪影響を受けやすいと考えられる対象者(ハイリスクグループ)は胎児とされ、注意事項の対象は妊娠している方または妊娠している可能性のある方とされていることから、乳児、小児や妊婦以外の成人は、注意事項の対象とする必要はないと考えています。
また、妊婦についても、現在の平均的な暴露量は、耐容量(懸念される胎児に与える影響を十分保護できる量)を下回っていることから、平均的な食生活をしている限り、健康への影響について懸念されるようなレベルではないものと考えています。
魚介類は良質なたんぱく質及びカルシウム、鉄などの栄養素を多く含み、EPA、DHA等の高度不飽和脂肪酸がその他の食品に比べ一般に多く含まれる等重要な食材です。特に水銀含有量の高い魚介類を偏って多量に食べることを避けて水銀摂取量を減らしつつ、魚食のメリットを活かしていくことが望まれます。
なお、注意事項を公表するにあたり検討に用いた魚介類のメチル水銀量のデータについては、厚生労働省ホームページに掲載しています。
〔参考〕
○厚生労働省
「魚介類に含まれる水銀の調査結果」
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/05/dl/s0518-8g.pdf
コメント元 農林水産省
コメント (平成22年8月分)
農林水産省では、魚介類を含む食品中の水銀やダイオキシン類等の含有実態調査を実施しております。これまでの調査結果によれば、例えば、クロマグロのメチル水銀濃度は0.21~1.3ppm、その他のマグロ類についてはさらに低濃度です。これは通常の食生活をしている限り、健康への影響について懸念されるレベルではないと認識しています。これらについては、農林水産省のホームページで御確認いただけます。
なお、魚介類には人の健康に有益な栄養成分や機能成分が豊富に含まれています。一部の食品を過度に摂取したりするのではなく、魚介類を含めバランスの良い食生活を送ることが重要だと考えられます。
〔参考〕
○農林水産省
「食品安全:個別危害要因への対応(有害化学物質)」
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem.html
「健康に悪影響を与える可能性のある魚介類中に含まれる物質などについて」
http://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/gyokai/g_kenko/busitu
添付資料ファイル