食品安全関係情報詳細
| 資料管理ID | syu06590470160 |
| タイトル | 英国食品基準庁(FSA)、細胞培養製品に使用される細胞バンキング技術の適正規範に関する、外部委託機関による調査報告書を公表 |
| 資料日付 | 2025年9月24日 |
| 分類1 | - |
| 分類2 | - |
| 概要(記事) | 英国食品基準庁(FSA)は9月24日、細胞培養製品(Cell Cultivated Products)に使用される細胞バンキング技術の適正規範に関する、外部委託機関による調査報告書を公表した。概要は以下のとおり。 Cultivated meat(以下、「培養肉」と訳出)は、Cultured meatまたはlab-grown meatとも呼ばれ、通常は生物学的及び医学的研究に利用される技術を用いて、実験室で培養された筋肉細胞及び脂肪細胞から製造される。現在行われている、飼育下で繁殖された動物を用いた食肉の大量生産は、環境に多くの悪影響を及ぼし、動物福祉上の懸念や倫理的懸念を引き起こしている。したがって培養肉は、より持続可能で倫理的な異なった方法で食肉を製造するための解決策となり得る。過去3年間、複数の培養肉製品が初めて、少数の国においてヒト用食品として販売することが承認された。英国では、2024年にペットフードの原料として培養肉が許可された。本報告書は、培養肉の製造工程における初期の特定の一段階、すなわち、出発原料として使用される細胞の製造方法及び特殊な凍結条件下での保存方法に着目する。この段階は細胞バンキングと呼ばれ、細胞を収容した数百、数千もの小さなチューブを保管する過程が含まれる。その後、これらの細胞は解凍され、培養肉の製造工程が開始される。 本研究では、細胞の調製及び細胞バンキングに関する公表済みの科学的研究を調査し、培養肉の製造及び細胞バンキングの主要な専門家らをワークショップに招き、細胞バンキングを含む初期の製造段階がヒトに及ぼし得る潜在的なリスクを明らかにするために意見を求めた。さらに、本報告書では、現在、培養肉製造者がどのような食品安全検査を実施しているか、及び培養肉が摂取に安全であることを確保するために他にできることは何かについて考察している。培養肉の製造での細胞バンキングに関する現在の知見と比較するために、生物医学分野における細胞バンキングの規範に関する洞察を示している。 本報告書で要約されている、調査から得られた主な洞察は以下のとおりである。 ・主たる製造工程開始前に、企業が細胞をどのように調製・保存しているかについて、我々が得ているのは、依然として限られた情報である。培養肉製造のための細胞バンクの構築・管理の方法に関する標準化された規則及び手順は、未だ存在していない。これは、食肉製造を目的とした実験室手法の利用が、極めて新しいアプローチであり、大規模製造という観点から探究され始めたのはわずかにここ10年であることによる。 ・培養肉製造に使用される動物の細胞は、生物医学での応用を念頭に徹底的に研究されてきた他の動物(例えば実験用マウス)の細胞ほどは、科学的に研究されていないため、この技術は、今後数年間で急速に発展し、変化する可能性が非常に高い。研究者らは現在も、使用される筋肉細胞がヒトが摂取しても安全でありつつ、より効率的かつ迅速に増殖する方法を模索している。 ・培養肉製造者は、食品安全リスクを強く認識しており、食品規制当局が求める複数の検査を実施している。しかしながら、現在、製造方法は企業によって異なるため、この新たな産業においては科学に基づいたガイダンスが必要である。例えば、微生物や残留化学物質の濃度についてどういった検査が行われるべきか、また、長期にわたる製造工程の中で、どの程度の頻度で実施されるべきかが明確ではない。 ・現在、培養肉企業によって行われる細胞バンキングの段階に関する具体的な規則や標準的な規範は存在していない。しかし、バンクされた細胞は最終製品の出発原料であり、将来的に、安全で高品質な食肉製品を確保するための高い基準が、規制当局から求められる可能性がある。同時に、本報告書の作成に当たり意見を求めた専門家らは、企業が製造工程や自社の食肉製品の革新及び改善を継続し、同時に商業的に成功できるよう、将来の細胞バンキングに関する規制は、過度に制限的なものであるべきではないという点で一致した。 ・現在、細胞の起原を追跡し、それらがどこから来たのか(例えば、供給源となった動物や供給元)といった情報を証明する方法は、十分に確立されていない。今のところ、様々な企業で適用される標準的な規範は確立されていない。細胞バンキング及び製造工程全体に適した追跡方法に関する、より科学に基づいたガイダンスが、この新たな産業への一助となり得る。そういった方法を標準化することで、製品の承認プロセスが容易なものとなり、培養肉製品の市場投入が迅速化され得る。 ・本報告書で議論されている、培養肉に関する1つの懸念は、数週間かかる場合もある製造工程において、細胞がDNAを変化させる可能性があることである。こうしたDNAの変化によって、細胞がヒトに有害となり得る分子を生成する可能性があることが主な懸念である。例えば、一部の人にアレルギー反応を起こす分子が挙げられる。本研究で意見を求めた専門家らは、培養肉製造中に起こり得るDNAの変化、及びヒトへのその潜在的な影響を理解するための具体的な科学的研究はこれまで行われていないが、このリスクは小さいと考えている。 要約すると、培養肉は、極めて新しい急成長産業であり、この産業において、食品の安全性は真摯に捉えられているが、実験室で培養された食肉が安全で、消費者に信頼され、従来の食肉の代替品として長期的に成功するためには、さらなる研究及びより明確な規則が必要とされる。 ※外部委託機関:Camrosh Limited |
| 地域 | 欧州 |
| 国・地方 | 英国 |
| 情報源(公的機関) | 英国食品基準庁(FSA) |
| 情報源(報道) | 英国食品基準庁(FSA) |
| URL | https://science.food.gov.uk/article/144239-best-practice-for-cell-banking-techniques-used-in-cell-cultivated-products |
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