食品安全関係情報詳細
| 資料管理ID | syu06580300294 |
| タイトル | 世界保健機関(WHO)、バングラデシュにおけるニパウイルス感染症に関する情報を公表 |
| 資料日付 | 2025年9月18日 |
| 分類1 | - |
| 分類2 | - |
| 概要(記事) | 世界保健機関(WHO)は9月18日、バングラデシュにおけるニパウイルス感染症に関する情報を公表した。概要は以下のとおり。 1. 概況 2025年1月1日から8月29日の間に、バングラデシュ担当部局(国際保健規則(IHR)National Focal Point(NFP))は、バングラデシュの3か所の地理的管区(Barisal、Dhaka、Rajshahi)の4つの異なる県で、時間的関連性のないニパウイルス(NiV)感染症による死亡例4例が確認されたことをWHOに通知した。NiV感染症は、コウモリやブタ等の感染動物、又は感染動物の唾液、尿、排泄物に汚染された食品を介して人に伝播する人獣共通感染症である。また、感染者との密接な接触を介してヒトからヒトへ直接伝播することもある。フルーツコウモリ(fruit bats/flying foxes)(オオコウモリ属(Pteropus属))がウイルスの自然宿主である。ヒトのNiV感染症はまん延しやすい(epidemic-prone)疾病で、ヒト及び動物に重篤な病態を引き起こし、死亡率が高く、主に南アジア及び東南アジアで集団感染が発生している。2001年にバングラデシュで最初の集団感染が確認されて以降、ヒトへの感染はほぼ毎年確認されている。現在までに、バングラデシュは集団感染を迅速に検出して対応するために設立されたニパ・サーベイランスシステムを通じて347例のNiV症例を記録しており、症例の致死率は71.7%である。現在、NiV感染症に対する特効薬やワクチンはなく、重篤な呼吸器系及び神経学的な合併症の治療には集中的な支持療法が推奨されている。公衆衛生上の取り組みは、リスク要因の認識を高め、ウイルスへのばく露を減らす予防策を推進し、適切な集中的支持療法に支えられた早期の症例検出に重点を置くべきである。バングラデシュ保健家族福祉省は、WHOの支援を受け、いくつかの公衆衛生対策を実施してきた。WHOは、国及び地域レベルでNiVがもたらす全体的な公衆衛生リスクを中程度(moderate)と評価している。国際的な疾病のまん延のリスクは低い(low)と考えられている。 2. 状況の説明(抜粋) 死亡例4例のうち最初の3症例は、生のヤシの樹液(raw palm sap)の摂取歴があった。しかし、4例目は生のヤシの樹液の摂取歴がなく、可能性のある感染源は現在調査中である。いずれの症例も相互に関連性はないとみられる。NiVの保有宿主(reservoir)として知られているフルーツコウモリは、感染地域に生息している。 2001年に最初の症例が報告されて以降、ほぼ毎年ヒトへの感染が報告されており、症例致死率(CFR)は25%(2009年)から100%(2024年)の間で変動している。2024年には、バングラデシュでNiV感染症による検査確定死亡症例が5例報告された。 3. ニパウルス感染症の疫学(省略) 4. 公衆衛生対応(省略) 5. WHOリスク評価(抜粋) ニパウイルス(Henipavirus nipahense)は、高いCFR(40~75%)を有する人獣共通感染症の病原体であり、承認されたワクチンや治療法はない。NiVの保有宿主は、インド洋、インド、東南アジア、オセアニアの沿岸地域及び複数の島々に分布しているオオコウモリ属のコウモリである。このウイルスは、野生動物及び家畜からヒトに伝播する可能性がある。これまでのところ、集団感染はアジアでのみ報告されているが、家畜を介して伝播し、ヒトからヒトへの二次的伝播も起こり得るため、大規模な流行・大流行(エピデミック・パンデミック)を引き起こす潜在性がある。当該疾病はバングラデシュで風土病となっており、コウモリの活動や、生のナツメヤシ樹液(date palm sap)の摂取等の文化的慣習に関連して、季節的な集団感染が見られる。季節的な集団感染は12月から5月にかけて発生し、ナツメヤシの樹液の収穫時期と一致している。 バングラデシュではこれまでに347例のNiV感染症例が記録されており、症例致死率は71.7%である。これらの症例の約半数(n=162)は、生のナツメヤシ樹液(DPS)又はタリ(発酵ナツメヤシ樹液)の摂取歴が確認された一次感染例であり、29%は直接的なヒトからヒへの伝播によるものである。2025年に入ってから現在までに、バングラデシュではNiV感染症による死亡例が4例報告されているが、いずれも相互の関連性は確認されていない。3例は季節的なパターンを示し、2025年の最初の2か月に集中していたが、4例目は通常の季節外で、生のナツメヤシ樹液の摂取歴もなく、感染源は依然として不明である。 現在入手可能な情報に基づき、WHOは、高い症例致死率、NiV感染症に対する特効薬やワクチンがないこと、早期診断の難しさ等を考慮し、国家レベルでのNiVによる公衆衛生リスクを中程度(moderate)と評価している。感度・特異性の高い検査法は存在するものの、初期段階の症状は非特異的であり、迅速な診断、感染発生の検知、そして対応が遅れる可能性がある。さらに、フルーツコウモリ(オオコウモリ属)はNiVの自然保有宿主であり、バングラデシュにも生息しており、その保有宿主からヒト集団へのウイルスの異種間伝播(spillover)が繰り返し発生していることが示されている。リスクコミュニケーションや地域社会への働きかけによる意識向上への継続的な取り組みにもかかわらず、地域社会では生のナツメヤシ樹液が依然として摂取されている。 WHOは、バングラデシュ国外での症例のまん延が確認されていないことから、世界レベルでのNiVの公衆衛生リスクは低い(low)と評価している。 6. WHOの勧告(抜粋) ・コウモリからヒトへの伝播のリスクを減らす 伝播防止のための取り組みは、まずコウモリがナツメヤシの樹液やその他の生鮮食品に近づかないようにすることに重点を置くべきである。収集したてのナツメヤシのジュースは煮沸し、果実は摂取する前に十分に洗浄してから皮をむく必要がある。コウモリによる食痕のある果実は廃棄すべきである。コウモリのねぐらであることが知られている場所は避けるべきである。 |
| 地域 | その他 |
| 国・地方 | その他 |
| 情報源(公的機関) | 世界保健機関(WHO) |
| 情報源(報道) | 世界保健機関(WHO) |
| URL | https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2025-DON582 |
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