食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06570190314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、エナジードリンクの慢性的な過剰摂取が若年層における心臓の損傷とは関連していないことを公表
資料日付 2025年8月26日
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概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は8月26日、エナジードリンクの慢性的な過剰摂取が若年層における心臓への損傷とは関連していないことが、EDKAR(Energy Drinks und KARdiologisches Risiko ? Energy Drinks and Cardiological Risk)研究のデータから明らかになったとプレスリリースを公表した。概要は以下のとおり。
 長期にわたり大量のエナジードリンクを摂取していた10代の若者について、最新の調査では心臓に変化がないことが判明した。BfR及びベルリン・シャリテ大学病院の研究者らは、EDKAR研究において、少なくとも1年間エナジードリンクを大量に摂取していた青少年の血圧、心拍数、心臓構造は、そのような飲料をまったく摂取していなかった青少年のものと違いはなかった。「エナジードリンクはカフェイン含有量が高いため、心血管系に急性効果を与え、大量に摂取すると動悸や血圧上昇等を引き起こす可能性があることは、長い間知られている」と、BfRの健康消費者保護人間研究センター所長であるCornelia Weikert教授は述べている。「我々の研究により、エナジードリンクのこれらの悪影響が青少年の心臓の健康にも持続的に悪影響を及ぼしているかどうかを明らかにしたい」。これに関連して、この研究から得られたもう1つの重要な結果は、エナジードリンクを大量に摂取する青少年は、対照群と比較して、タバコやマリファナを吸う頻度が高く、アルコールの摂取量も多く、睡眠時間も不足していることが多いということである。このため、心臓の健康を長期的に危険にさらす可能性のある行動をより多く示している。EDKAR 研究の結果は「European Journal of Epidemiology」誌に掲載されている。
 エナジードリンクは、集中力や身体能力を高めることを宣伝しているカフェイン入り清涼飲料である。若者の間では、この甘い飲み物が非常に人気である。大量に摂取すると、高いカフェイン含有量のため、一時的に神経過敏や興奮状態を引き起こし、不眠、発汗、動悸を引き起こすことがある。欧州食品安全機関(EFSA)は、子供や青少年の場合、体重1 kgあたり1日3 mgのカフェイン摂取は健康上問題ないとしている。体重50 kgの青少年は、市販のエナジードリンク2本(250 mL缶あたりカフェイン80 mg)を摂取するだけで、この基準値を超えることになる。
 エナジードリンクの継続的な大量摂取が青少年の心臓の健康に及ぼす健康影響の有無や程度は、急性の悪影響以外では明らかではなかった。これが今回、EDKAR研究で初めて調査された。研究者らはまず、15歳から18歳までの5000人以上のベルリンの生徒に、エナジードリンクの摂取量や、喫煙や飲酒の有無や量、その他多くのライフスタイル要因について質問した。少なくとも1年間、週に4日以上エナジードリンクを摂取し、この飲料だけで毎日体重1 kgあたり3 mg以上のカフェインを摂取していると回答した青少年は、心臓検査を受けるよう促された。慢性的に大量のエナジードリンクを摂取している97人の青少年の心臓データを、対照群の160人の青少年のデータと比較した。対照群の青少年は、過去12か月間にエナジードリンクを飲んでおらず、コーヒーや紅茶等の他の摂取源から1週間に80 mg以上のカフェインを摂取していなかった。血圧と心拍数を測定し、心電図(ECG)で心拍数と心拍リズムを特定し、心エコー検査で心臓構造と機能を正確に分析した。
 評価の結果、この研究で調査した若者では、エナジードリンクの慢性的な大量摂取は心臓の健康に影響を与えていないことが明らかになった。調査したパラメータでは、慢性的な大量摂取者と対照群との間に、統計的に有意かつ/又は臨床的に関連のある違いは見られなかった。それにもかかわらず、EFSAの健康ガイドラインは、この研究結果によって疑問視されることはない。実際、大量摂取者のほぼ半数が、エナジードリンクの摂取後に望ましくない影響を感じたことがあると報告している。影響を受けた人たちは、動悸や心拍数の増加、睡眠障害、頭痛、胸の圧迫感や締めつけ感等を最も頻繁に報告した。高用量のカフェインが心血管系に及ぼす既知の急性影響は、エナジードリンクを慢性的に大量摂取している研究参加者の間でも増加しているが、心臓には今のところ影響は出ていないようである。「このデータにより、青少年の心血管系は、少なくとも一定期間、エナジードリンクの潜在的な悪影響を吸収するのに十分な適応能力を持っていることを示唆している」と、Weikert氏は説明している。また、慣れも影響していると思われる。
 長期の大量摂取による将来の健康影響の有無又はその程度に関しては不明である。特に、持病のある人や追加的なリスク要因のある人が潜在的なリスクにさらされていると、研究者らは考えている。また、急性及び長期的な健康影響を考慮して、エナジードリンクとアルコール、又はその他のパーティードラッグを同時に摂取する場合は、特に注意が必要である。
 当該研究論文は以下のURLから閲覧可能。
https://link.springer.com/article/10.1007/s10654-025-01292-z
 BfRのウェブサイト上のその他の情報。
・カフェイン、カフェインを含有する食品(エナジードリンクを含む)に関するFAQ
https://www.bfr.bund.de/fragen-und-antworten/thema/fragen-und-antworten-zu-koffein-und-koffeinhaltigen-lebensmitteln-einschliesslich-energy-drinks/
・意見書:子供及び青少年におけるエナジードリンクの過剰摂取は心臓及び循環器系の健康リスクを高める
https://www.bfr.bund.de/stellungnahme/kinder-und-jugendliche-uebermaessiger-konsum-von-energy-drinks-erhoeht-gesundheitsrisiko-fuer-herz-und-kreislauf/
・BfRのプレスリリース:高濃度のカフェイン粉末は、少量でも重篤な中毒症状を引き起こす可能性がある
https://www.bfr.bund.de/cm/343/hochkonzentriertes-koffein-pulver-kann-bereits-in-geringen-mengen-schwere-vergiftungen-hervorrufen.pdf
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL https://www.bfr.bund.de/presseinformation/chronisch-hoher-konsum-von-energy-drinks-ist-bei-jugendlichen-zunaechst-nicht-mit-einer-schaedigung-des-herzens-verbunden/
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