食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06560700149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、ばく露マージンアプローチの使用と解釈に関する声明を公表
資料日付 2025年8月8日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は8月8日、ばく露マージン(MOE)アプローチの使用と解釈に関する声明(7月2日採択、PDF版23ページ、 https://doi.org/10.2903/j.efsa.2025.9606)を公表した。概要は以下のとおり。
 MOEは、食品及び飼料中の物質の安全性を評価するためのリスク評価ツールである。EFSAは2005年にMOEを採用し、これはリファレンスポイント(RP)と推定ばく露量の比として計算される。一部の規制当局は「安全マージン」(MOS)とMOEを互換的に使用しているが、異なる定義を採用している規制当局もあり、解釈の不一致が生じている。これに対応するため、EFSAは用語を標準化し、MOEをヒトの健康及び動物衛生の評価全体にわたる安全性評価の主要な指標として確立した。さらに、「懸念(concern)」を評価するための用語の意味と解釈が詳細に説明されている。EFSAの定義は、本声明が公表された時点から適用される予定である。これらの定義を精緻化し、部門間で用語の一貫性を確保することで、EFSAはリスク評価の明確性と透明性を向上させ、効果的なコミュニケーションを促進することを目指す。
《他組織におけるMOE/MOSコンセプトの活用 ? EFSAの調査の結果》
・MOEは、DNA反応性作用機序を有する発がん性物質又は毒性学的データが不十分な場合、特に発がん性物質や毒性学的プロファイルが不十分な物質に対して、推奨される用語及びアプローチである。
・MOEは、広範な文脈で適用される安全性評価の用語である。
・MOSは、特定の製品タイプや規制上の期待値(例:化粧品)と密接に関連している。
・MOEとMOSは数学的に類似しているが(どちらも比率である)、明確に異なる規制上の目的を果たすものであり、互換的に使用すべきではない。
・MOEは懸念のレベルを示す数値を提供する。DNA反応性作用機序を有する発がん性物質に対するMOEの広く受け入れられている値は10,000である。
・多くの機関は、特に食品関連リスクにおいては、MOSではなくMOEを使用するEFSAや国際ガイドラインに従っている(※補足)。
《結論》
 総括すると、科学委員会は、健康影響に基づく指標値(HBGV)の導出が適切でないケースにおいて、食品及び飼料中に含有される物質に起因する潜在的な安全性上の懸念の評価に向け、MOEアプローチを用いることに合意する。MOEの大きさは、リスク管理者に措置発動の優先順位を設定するための根拠を提示する。
〈動物衛生及びヒトの健康〉 MOEに基づく「懸念(concern)」は、リスク管理者による措置発動の必要性を示す。
〈ヒトの健康〉 DNAと直接反応することにより発がん性を示す可能性のある物質に対する「低い懸念(low concern)」とは、リスク管理者による措置発動の優先度が低いことを意味する。その他の全ての物質については、EFSAはMOEの大きさに応じて、推定ばく露量においては当該物質がヒトの健康に対する安全性上の懸念を提起しないと結論する可能性がある。
〈動物衛生〉 「懸念なし(no concern)」とは、リスク管理者による措置発動の優先度が低いことを意味する。植物を起原とする飼料添加物については、長寿命の対象種における「低い懸念(low concern)」とは、動物衛生への有害影響を誘発する可能性は「極めて低い(very unlikely)」と見なされる。
 (※補足) 日本と韓国は、遺伝毒性、発がん性、又は信頼できる閾値がない場合にMOEを適用しているという調査結果が記載されている。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/9606
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