食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06560570470
タイトル 欧州疾病予防管理センター(ECDC)、ECDC感染症脅威報告(CDTR)第32週号において、カンボジアにおけるヒトの鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルス感染、ポーランドにおけるナグビブリオ感染、及びインドにおけるニパウイルス感染に関する情報を紹介
資料日付 2025年8月8日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州疾病予防管理センター(ECDC)は8月8日、ECDC感染症脅威報告(CDTR)第32週号(8月2日~8日)において、カンボジアにおけるヒトの鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルス感染、ポーランドにおけるナグビブリオ感染、及びインドにおけるニパウイルス感染に関する情報を紹介した。概要は以下のとおり。
1. インフルエンザA(H5N1)(複数国(世界)、ヒト症例のモニタリング)
 2025年8月6日、カンボジア保健省は、タケオ州の10歳未満の少女における鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルス感染の新たなヒト症例1例を報告した。
 当該患者は、発熱、咳、息切れ及び呼吸困難などの症状を呈した。患者は現在、集中治療を受けている。同省によれば、患者の村では病気及び死んだ鶏が見つかっており、患者の家族は、病気及び死んだ鶏の摂取を報告した。
 当局は、確立されたプロトコルに従って、集団感染予防対策とともに、積極的な感染事例調査と接触者追跡を行っている。本症例の原因ウイルスの塩基配列はGISAIDにて公開されており、2025年にカンボジアで報告された既知クレードによる症例の大多数と同様に、当該ウイルスはクレード2.3.2.1eに属している。
 2025年8月7日時点で、2025年にカンボジアで報告された鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルス感染によるヒト症例は15例であり、うち6例が死亡している。2003年以降、カンボジアでは87例のヒト感染例が報告されており、うち49例が死亡している(症例致死率は57%)。しかし、アジア内外の研究において、A(H5)にばく露された人々の間で観察された血清有病率(seroprevalence)は、症例致死率を解釈する上で貴重な背景を提供しており、これらは報告されたヒト症例が主に重症例で、A(H5)亜型ウイルスの症例致死率が過大評価となっている可能性を示唆している点に留意する必要がある。(以下略)
2. ナグビブリオ感染症(ポーランド、2025年)
・更新情報
 2025年7月29日、ポーランドの公衆衛生当局は、EpiPulseを通じて、西ポモージェ県(West Pomeranian Voivodeship)におけるコレラ疑い症例に関する2度目の確認検査の結果を報告した。本結果は、最初の検体検査の結果と一致しており、病原体はエンテロトキシンを欠く非O1及び非O139 Vibrio choleraeであった。
・要旨
 2025年7月21日、ポーランドの国家公衆衛生当局は、西ポモージェ県におけるコレラ疑い症例を報告した。この発表は、同地域の高齢女性のコレラ疑い例を報じた複数のメディア報道を受けて行われたものである。患者は消化器症状を呈し、スタルガルト(Stargard)の地区病院で治療を受けた後、シュチェチン(Szczecin)の県立病院に転院し、現在は安定した状態にあると報告されている。
 最初の疑い例が確認された4日後、ポーランドの公衆衛生当局は、ルブリン県(Lublin Voivodeship)において確認された、関連性のない2例目の疑い症例を報告した。この症例もビブリオ症として分類されている。
・背景
 ビブリオ症の症状は、感染の経路によって異なる。生又は加熱不十分な貝類の摂取によって罹患した場合、典型的な症状には、水様性下痢、腹痛、吐き気、嘔吐、発熱、及び悪寒がある。また、ビブリオ属細菌が大量に存在する水域での水浴によって感染することもあり、その場合は耳の感染症や、開いた創傷部に菌が接触することで、患部周辺の発赤、腫れ、痛みなどの皮膚関連症状を引き起こす。創傷部の感染が治療されない場合、壊死性筋膜炎、血流感染症、敗血症、さらには(特に慢性肝炎や免疫機能の低下等の持病を有する人において)四肢切断を要するなどの重篤な合併症を引き起こす可能性がある。
3. ニパウイルス感染症(インド、2025年)
・更新情報
 2025年7月20日、インドの保健当局は、ケララ州Palakkad地区における合計2例のニパウイルス(NiV)感染症例を報告した。7月13日に報告されたNiV感染症例の濃厚接触者1名が、病院での予備検査でNiV陽性と判定されたが、プネーウイルス学研究所(Pune Institute of Virology)による確認検査で陰性と判定された。したがって、当該人物はNiVに感染していなかった。
・要旨
 2025年5月以降、インドではPalakkad地区(2例)及びMalappuram地区(2例)から、合計4例のNiV感染症例が報告されている。そのうち2名が死亡しており、いずれもPalakkad地区の症例である。
 本年最初のNiV感染症例は、5月にMalappuram地区から報告された。この症例の検出後、2025年7月4日にPalakkad地区及びMalappuram地区から新たな2症例が報告された。これら2名の患者は、それぞれ6月23日及び25日に症状を発症し、そのうち1名はその後まもなく死亡したと報告された。さらに、7月13日にPalakkad地区から追加症例1例が報告された。
・背景
 ニパウイルス(Henipavirus nipahense)は、パラミクソウイルス(Paramyxoviridae)科ヘニパウイルス(Henipavirus)属に属する高病原性のウイルスである。1999年にマレーシア及びシンガポールでの感染事例において初めて分離・同定された。それ以降、南アジア及び東南アジアにおいて複数のNiV感染事例が報告されており、症例の大多数はバングラデシュで発生している。当該ウイルスは動物とヒトとの間で伝播し、ヒト症例の多くは豚又はコウモリとの直接接触があった。NiVはまた、ヒトからヒトへの直接接触、或いは汚染された食品(例:コウモリの唾液で汚染されたナツメヤシの樹液)やエアロゾルを介して間接的に伝播することもある。潜伏期間は通常4日から14日である。症状は軽度(発熱、頭痛、筋肉痛、吐き気)から、重度の呼吸器症状や脳炎などの重篤な症状まで幅広く現れる。(以下略)
 当該報告書は以下のURLから入手可能。
https://www.ecdc.europa.eu/sites/default/files/documents/communicable-disease-threats-report-week-32.pdf
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州疾病予防管理センター(ECDC)
情報源(報道) 欧州疾病予防管理センター(ECDC)
URL https://www.ecdc.europa.eu/en/publications-data/communicable-disease-threats-report-2-8-august-2025-week-32
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