食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06541100149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、遺伝子組換えナタネ73496の2024年次市販後モニタリング報告書の評価に関する声明を公表
資料日付 2025年7月10日
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概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は7月10日、遺伝子組換えナタネ73496の2024年次市販後モニタリング報告書の評価に関する声明を公表した(7月1日採択、PDF版8ページ、 https://doi.org/10.2903/j.efsa.2025.9579)。概要は以下のとおり。
《序説》
 2024年12月16日、欧州委員会(EC)は、「遺伝子組換えナタネ73496(DP-O73496-4)を含有する、それから構成される、それから製造される製品の市場投入を認可する欧州委員会決定(EU) 2022/5291」に従い、遺伝子組換えナタネ(OSR)73496に関する市販後モニタリング(PMM)報告書(報告期間: 2023年6月 - 2024年7月)をコルテバ社から受領した。EFSAは、これらのモニタリング活動の結果の評価、及び、モニタリングに使用された方法論の妥当性の評価を要請された。
 OSR 73496は、グリホサートアセチルトランスフェラーゼタンパク質GAT4621の発現により、除草活性物質グリホサートに対する耐性が付与されている。OSR 73496の市販前リスク評価において、種子の成分組成分析から、対応する従来栽培品種と比較してN-アセチル化アミノ酸類に変化が認められた。当該変化は主としてN-アセチルアスパラギン酸(NAA)含有量の増加という特性によるものと判断されたが、N-アセチルグルタミン酸(NAG)及びN-アセチルトレオニン(NAT)の増加も確認されている。
 市販前リスク評価の一環として、ヒトの食事性ばく露評価ではNAAに焦点が当てられた。成分組成変化の毒性学的関連性を評価するため、OSR 73496から製造されたタンパク質単離物及びOSR粉末を摂取すると仮定した複数の食事シナリオを用いて、食事性ばく露量が推定された。GMOパネルは、従来食品、及び、OSR 73496由来加工食品を合算した摂取から推定されるNAAへのヒトの食事性ばく露は、ヒトの健康にリスクをもたらす可能性は低いと結論している。
 畜産動物及び伴侶動物(companion animals)における食餌性ばく露評価では、NAA・NAG・NATが検討された。成分組成変化の毒性学的関連性を評価するため、OSR 73496の焼成脱脂ミール(toasted defatted meal)・タンパク質単離物・可溶性物質類(ホエー画分)を摂取すると仮定した複数の食餌シナリオを用いて、食餌性摂取量が推定された。これらのシナリオを考慮して、反芻動物及び単胃動物(OSR 73496焼成脱脂ミール配合飼料に基づき、豚及び馬等)に対し、ばく露マージン(MoE)及びNAA・NAG・NATの推定ばく露量が算出された。NAG・NATは全体として許容範囲内にあったが、NAAに対してはリスクの判定のさらなる精緻化が考慮された。
 結論として、当該リスク評価で検討されたとおり、OSR 73496由来の食品及び飼料中のN-アセチルアミノ酸類NAA・NAG・NATの含有量増加と関連して、安全性上の懸念は確認されなかった。しかしながら、GMOパネルは、OSR 73496及び/又はそれに由来する食品・飼料製品の予測摂取量を確認するため、さらに、市販前リスク評価にて検討された使用条件が適用されているか否かを確認するため、PMM計画の実施を推奨した。
《データ及び方法論》
 EFSAは本声明を公表するにあたり、以下を検討している。
 ・ Corteva社がECに提出したOSR 73496に関する2024年度年次PMM報告書(2023年7月 - 2024年6月)に記載された情報
 ・ 委任事項
 ・ 欧州委員会決定(EU) 2022/529
 ・ 申請EFSA-GMO-NL-2012-109に関するEFSAのGMO Panelの科学的意見書
EFSAの要請に基づき、追加情報が認可保有者から提供されている。
《結論》
 2023年6月 - 2024年7月の期間に渡るPMM報告書に記載された情報から、市販前リスク評価にて検討された摂取量及び意図される用途に対する仮定(ヒトの食事性ばく露及び動物の食餌性ばく露)が過度に保守的(conservative)であったことが示される。したがって、OSR 73496に対する市販前リスク評価の結論は引き続き適用可能である。
 認可保有者は、認可において要求されたOSR 73496及びOSR 73496派生製品のヒト及び動物の摂取データを提供していない。しかしながら、EFSAは、使用された方法論ならびに提供されていた情報は、市販前リスク評価にて検討された条件が引き続き適用可能であると判断するのに十分であると結論する。
《今後のモニタリングに対する推奨事項》
 市販前リスク評価の一環として、EFSAのGMOパネルは、OSR 73496由来の加工食品・飼料中のNAA・NAG・NATの含有量に関してリスクを判定し、その結果として、ヒト及び動物に対して許容可能と判断されるばく露マージンが算出された。これは、N-アセチル化アミノ酸類に対するヒト/動物の食事性/食餌性ばく露評価の結果から実施されたものであり、動物を用いた毒性学的試験から導出された当該化合物に対する毒性学的参照値に基づいている。OSR 73496の認可更新申請(初回認可から10年後)の文脈においては、EFSAは、市販後の食事性/食餌性ばく露評価に情報を提供するために、さらに、ヒト及び動物における当該化合物のリスクの判定に情報を提供するために、種子中のN-アセチル化アミノ酸類(NAA・NAG・NAT)含有量に関する最新のデータを提供すべきと推奨する。
 OSR 73496の認可更新申請において、関連する全ての科学的・技術的出版物が確実に捕捉され、かつ、適切に評価されるよう、体統的文献レビュー方法論に関するEFSAの最新ガイダンスに従い、文献検索及び文献レビューを実施する必要がある(初回認可から10年後)。
 2024年次PMM報告書では、OSR 73496の輸入は限定的であったと結論されているが、この状況は将来変わる可能性がある。輸入量が増えれば、動物の食餌性ばく露の評価に向け、確実な摂取データがさらに重要となる。
 また、OSR 73496由来の新たな飼料用途や新たな飼料製品のモニタリングも正当化される。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/9579
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