食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06540730317
タイトル ドイツのロベルト・コッホ研究所(RKI)、疫学情報誌「Epidemiologisches Bulletin」において下水検体で再びポリオウイルスが検出されたことを公表
資料日付 2025年7月3日
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概要(記事)  ドイツのロベルト・コッホ研究所(RKI)は7月3日、疫学情報誌「Epidemiologisches Bulletin (27/2025)」において下水検体で再びポリオウイルスが検出されたことを公表した。概要は以下のとおり。
 過去数週間にわたり、下水検体から再びポリオウイルスが検出された。これらは経口ポリオワクチン由来のウイルス(伝播型ワクチン由来ポリオウイルス2型:cVDPV2)である。ワクチン未接種又は接種途中の人がcVDPV2に感染した場合、まれに急性灰白髄炎(ポリオ)を発症する可能性があるため、ワクチン接種の確認と完了、並びにエンテロウイルス監視の活用が非常に重要である。
 cVDPV2の検出は、複数の地域の下水検体から複数の週(KW)で報告されている。具体的には、ドレスデン(2025年第17週、2025年第19週、2025年第21週、2025年第23週)、マインツ(2025年第15週、2025年第19週)、ミュンヘン(2025年第21週、2025年第22週、2025年第23週)、シュトゥットガルト(2025年第21週)である。ポリオ及びエンテロウイルスに関するナショナルリファレンスセンター(NRZ PE)によるゲノム解析の結果、現在検出されているポリオウイルスは、2024年末から2025年初頭にかけてスペイン、ポーランド、ドイツ、フィンランド、英国の下水検体から検出されたウイルスと同じ欧州クラスターに属するものであることが判明した。
 下水でのウイルス検出は、処理場の下水集水域内の人がcVDPV2に感染し、便中にウイルスを排出していることを示す指標である。ポリオワクチンの接種が完了している人は発症しないが、感染しウイルスの拡散に関与する可能性がある。未接種又は接種が不完全な人がcVDPV2に感染すると、まれにポリオを発症することがある。当該ウイルスの主な伝播経路は糞口感染(接触感染)である。衛生状態の良い国では、呼吸器感染が接触感染よりも大きく寄与していると考えられている。これは、ウイルスが最初に咽頭で増殖するためである。
 下水サーベイランスでは、感染者の正確な人数を把握することは不可能である。現在のところ、これらが1つ又は複数の未特定の国からの複数の並行的な流入なのか、あるいは地域内での伝播なのかは不明である。ドイツ国内での伝播はこれまで確認されておらず、RKIにもポリオの臨床症例は報告されていない。
 しかし、長期にわたる検出状況と複数地域でのcVDPV2の検出を踏まえると、少なくとも局所的にはcVDPV2のヒトからヒトへの伝播が起きている可能性が高まっている。ポリオワクチン接種の完了は、当該疾病に対する最も重要な予防策であるため、改めてワクチン接種の確認と確保を推奨する。
 RKIは、関係する連邦州、欧州疾病予防管理センター(ECDC)、世界保健機関(WHO)と引き続き連携している。RKIが過去数か月に何度も発表してきた医療従事者向けの推奨事項(Epid Bull 48/2024、Epid Bull 49/2024、Epid Bull 5/2025、Epid Bull 16/2025)は、現在も有効である。特に、ワクチン接種を行う医師や保護者は、ドイツ予防接種常設委員会 (STIKO)の勧告に従って、乳児期にポリオに対する予防接種を完了するよう努め、子どもや青年期においてワクチンの未接種の空白期間がある場合は、速やかに補う必要がある。
 cVDPV2を排出している人やポリオを発症している人を早期に特定するために、医師や医療検査機関はナショナルエンテロウイルス監視システムの活用も推奨される。
 エンテロウイルス監視の枠組みの中で、小児科及び神経科のすべての病院に対し、ウイルス性髄膜炎や脳炎、急性弛緩性麻痺の鑑別診断のために、便または髄液検体を用いたエンテロウイルス診断が無償で提供されている。さらに、NRZ PEでは、エンテロウイルス陽性の患者検体に対するポリオウイルス除外検査も無償で提供している。
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ロベルト・コッホ研究所(RKI)
情報源(報道) ロベルト・コッホ研究所(RKI)
URL https://www.rki.de/DE/Aktuelles/Publikationen/Epidemiologisches-Bulletin/2025/27_25.pdf?__blob=publicationFile&v=4
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