食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06510110314 |
タイトル | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、PETボトルについて、健康へのリスクは確認されていないという見解をFAQ形式で公表 |
資料日付 | 2025年5月28日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は5月28日、PETボトルについて、健康へのリスクは確認されていないという見解をFAQ形式で公表した。概要は以下のとおり。 (2020年7月16日版(※訳注 次のURLより閲覧可能 https://www.bfr.bund.de/cm/349/selected-questions-and-answers-on-pet-bottles.pdf)からの変更点:参考資料の追加を含む全面的な改訂) Q1. ホルモン様物質は、PETボトルから飲料に移行するのか? A1. 消費者の間で大きな懸念となっているのは、PETボトルに由来するホルモンかく乱物質が飲料に移行するのではないかという点である。これは、ガラスボトルとPETボトルに入ったミネラルウォーターにばく露されたカタツムリと細胞培養を対象とした研究がきっかけとなった。一部のケースでは、エストロゲン活性が検出されたが、これは、乳、ビール、赤ワインなどの飲料が本来もっている天然のエストロゲン活性の約10,000分の1に過ぎなかった。さらに、PETボトル入りミネラルウォーターとガラスボトル入りミネラルウォーターの比較では、細胞培養で測定されたホルモン作用に差は認められなかった。したがって、この低い活性がPETボトルに起因するとは考えられない。ミネラルウォーターの化学分析では、エストロゲン活性を引き起こす可能性のある物質は検出されていない。 Q2. PETの製造には、エストロゲン物質が使用されているのか? A2.アンチモン化合物は、PETの製造の触媒として使用されることがある。アンチモンは天然に存在する希少な半金属で、エストロゲン作用は極めて低い。ミネラルウォーターには、1Lあたり最大2 μgまでのアンチモンが検出されている。これらの値は、包装材料から食品へのアンチモンの移行に関する法定基準値を大幅に下回っている。EU委員会は、食品1 kgあたり40 μgの移行基準値(Migrationsgrenzwert)を設定している。 Q3. PETボトルには、可塑剤が含まれているのか? A3. プラスチックの名称「ポリエチレンテレフタレート(Polyethylenterephthalat):PET」から、可塑剤として使用され、ホルモン様作用がしばしば話題となっているオルトフタル酸エステル(Orthophthalate)に関連する物質であると誤解されることがある。 しかし、PETボトルの製造には、オルトフタル酸エステルや他の可塑剤は使用されていない。そのため、ミネラルウォーターでは、これらの物質は全く検出されていないか、あるいは測定されたホルモン様活性を説明できないほど低い濃度でしか検出されていない。 Q4. PETボトルには、ビスフェノールAが含まれているのか? A4. PETボトルの製造には、ビスフェノールAは使用されていない。ビスフェノールAは、ホルモン様作用(具体的には、エストロゲン様作用)をもつ可能性のある物質群に属している。研究では、特にリサイクルされたPETボトルにおいて、微量のビスフェノールAが汚染物質として混入しているケースが見つかっている。このビスフェノールAが、微量にミネラルウォーターに溶出する可能性がある。しかし、溶出量は、BfRが導出したビスフェノールAの耐容一日摂取量(TDI)を大幅に下回っており、現在の知見によると健康への悪影響は予想されない。 Q5. PETボトル入りミネラルウォーターは、甘くフルーティーな味がすることがある。この理由は? A5. PETボトルの製造及び保管中に、アセトアルデヒド(Acetaldehyd)という物質が生成される。アセトアルデヒドがボトルから飲料に移行すると、少なくともミネラルウォーターでは、非常に微量であっても味や匂いが感じられることがある。コーラや他の清涼飲料水のように強い風味を持つ飲料では、アセトアルデヒドはほとんど感じられない。 Q6. 飲料水に含まれるアセトアルデヒドは、健康に有害なのか? A6. EU規制によると、プラスチックから食品1 kgあたり最大6 mgのアセトアルデヒドが溶出することが許容されている。この基準値までは、健康への悪影響は確認されていない。しかし、この量の100分の1未満でも、ヒトはアセトアルデヒドの匂いや味をはっきり感じることができる。測定された量は法定基準値を大幅に下回っているため、アセトアルデヒドが味や匂いで感じられた場合でも、健康への悪影響はないと予想される。 Q7. PETボトル入りミネラルウォーターを飲む場合、消費者はアセトアルデヒドの味を我慢する必要があるのか? A7. PETから知覚できる量のアセトアルデヒドが移行するのは、通常、ボトルの製造における技術的な欠陥が原因である。少量のアセトアルデヒドが消費者の健康にリスクを及ぼす可能性が低いと予想される場合でも、飲料の味や香りの変化は望ましくなく、現行の規制では許められていない。アセトアルデヒドの味は、ミネラルウォーターの官能的な品質を損なうものであり、消費者が受け入れる必要のない品質欠陥である。消費者は、この欠陥のある飲料を返品することができる。PETボトルの製造業者は、技術的手段によりアセトアルデヒドの飲料への移行を防止することが求められている。これは、例えば、PET中のアセトアルデヒドを結合し、それ自体は健康リスクや官能的な障害を引き起こさない物質を使用することによって達成できる。また、ボトルの内側にガラス状のコーティングを施し、アセトアルデヒドが飲料に移行するのを防ぐという選択肢もある。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | ドイツ |
情報源(公的機関) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
情報源(報道) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
URL | https://www.bfr.bund.de/assets/01_Ver%C3%B6ffentlichungen/FAQ_englisch/pet-flaschen-keine-anhaltspunkte-fuer-ein-gesundheitliches-risiko.pdf |
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本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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